この時期インドはサーフィンの季節では無いことはなんとなく知っていた。
でも南まで行けばなんとか乗れる波があると期待していた。
最初はコバラムを考えていたけど
あまりにリゾート化が進んで面白くなさそうなので
近くのバルカラにしてみた。
大枚はたいて10日間のボードレンタルをしたのに。

波が無い。

これはバルカラ前半1週間の悲しい空振り奮闘日記です。
かなり長いのでサーフィン興味ない人は飛ばしてください。

–1/28(木)–
18時。4時間半の列車の旅が終わりバルカラ到着。
やはり列車は良い。

列車からの景色、ドアは無い。
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列車の中。隣に来たインド人達、お前ら絶対ここじゃねーだろ。
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美和に荷物番を任せ宿探しと 称してとりあえず波チェック。
日没直前で辛うじて見える程度だったが
崖の上まで響く波の音、波はありそうだ。
これから10日以上ここでサーフィン三昧だ!
期待に胸を躍らせる。

–1/29(金)–
朝起きて早速ビーチへボードレンタル探索へ。

崖上からの景色
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ゴカルナと違い崖の下のビーチボーイズに聞くと
ボードがあると言う。
オーナーがいなかったため価格交渉できず
とりあえずボードの状態をチェックして「キープ①」
次のレンタル候補を探しに歩く。
10分ほど歩くがらしき光景が無い。
レストランを聞き歩くと
何軒目かにジャジャと名乗る怪しげな男と出会う。
「ボードならあるぞ、カム。」と奥へ僕を誘う。
「これだ、どうだいいだろう。」と見せられたボードは
どう見ても木でできている。乾いた音が空しい。
しかもトライフィンのセンターフィンが折れている。
「フィンが折れてるじゃないか。」
「いや2フィンの方が いいんだ。」出たインド人、根拠の説明はない。
「ワックスは?」
「ワックスは無いがキャンドルを使う。いいだろ?」よくない。根拠の説明はない。
トークは続く。
「俺はティーチャーだ、なんなら教えてやるぞ。」NO THANK YOU。
「波は良くなるさ、特に朝がベストだぞ。」
「1時間250ルピー、1日なら特別500ルピーにしてやろう。」
10日で5000ルピー、ありえない。
2000ルピーから交渉するが3000ルピーまでしか下がらない。
まあよいほかにもチョイスはあるはずだ。
今日は波が良くないので翌朝波をチェックしがてら
また来ると話して「キープ②」とする。
その後ほかの場所もあたるが他に見つけられず。
結局キープ2つで1日が終わってしまった。
まあいいさまだ日程はある。
ちょっと不安はあったが落ち着け勇輝、きっと何とかなるさ。

漁師達。夕方になると収穫してる。
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–1/30(土)
7時起床、7時半にビーチへ。
ん?今日も波が無いのか。
負けるな勇輝。
ジャジャを探し再び交渉。

サッカーシャツ来てるのが例のボス。
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波がよく無いので10日2500ルピーをMAXに交渉する。
業をにやしたジャジャは「ボスと話してくれ」と。
「波も良くないし昨日一昨日と誰もサーフィンしてないだろ、
1日250稼げたら絶対いい だろ」
簡単に断らないボス。熟考している様子。
なんか話が分かりそうだ。
その間に取り巻きが来てはダメだとか
現地語でボスに耳打ちしたり してる。
うざい。俺はボスと話したいのに。
「ねえ3000へありえないわ。行きましょ。」
横から美和が茶番を始めてくれる。いいぞさすがだ。
10分ほど交渉をするとボスが今度は僕に耳打ちする。
「あそこにいるから1時間後に話しかけてくれ。」
お!?イケるのか?取りまきをまくのか?
OKと快諾しとりあえず海へ。
波は無いがボディサーフィンはできる。
というかボディサーフィンうまくなった。しっかり滑る。
1時間もしないうちにビーチにいたボスが手招きする。
2500ルピーを握り締めボスに会いに行くと
ジェントルマンを紹介される。
ムジだ。もう1人のボス。

再掲。よく見ると西川清に見えてきた。
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「彼が2500でokだ。」キたねボス①、グッジョブ。
ついてこいと言うので念のため確認する。
「リーシュコードあるよね?」
「ない」ん??
「フィンは?」
「ない」何故か自信満々だこいつ。
「なんだよそれじゃあ話にならねえよお・・」
こんな時もボス①はやっぱりニタニタしてる。
アホっぽいそういうところ、好きだよ。
色々聞いてみるとボディボードと勘違いしていたのだ。
おいおいジャジャ頼むぜ、昨日一緒にボード見たじゃんよ。
「じゃあサーフボードはいくらだ?」
「1日1000ルピー、10日10,000だが特別5000にしてやろう。」
キターー!!こいつはマジか交渉か、とにかく値上がりしてる。
そして衝撃の発言。
「バルカラにはサーフボードは3つしかない。ベリーエクスペンシブだ。」
3つ?まじ?嘘だろ?(ひろき風)、いや絶対嘘だ。
オーケーフォゲリ。とにかくキープ①に行こうと心に決める。
にしても握り締めた2500ルピー、いや結構な大金だぜよ、
を目の前にしても全く譲らないとはやるなムジ。
感覚的には色んなリスクと機会損失コストをふまえた
売り上げの最大化という視点というより
1時間250ルピーのものを1日 250で貸すのはムリ、
みたいな感覚的な発想に感じる。いやマジで。
気をとりなおしてキープ①へ向かうと「俺のボードだ」と
文字通り胸を張った青年に出会う。
そうハナスだ。
「10日2500でどうだ?」いきなり本題へ。
「OK、それでいこう。」えっ!!?マジ??
ヤバいいきなり本命プライスを言ってしまった。
2000から始めるべきだったのにムジの強気姿勢にひよってんジャンおれ!
いいんだぞ勇輝、決めたじゃん2500で行こうって。。。
そこへ横槍が入る。
「ヘーイYUKI!リメンバー?」
なんか見た顔だ、誰だっけ?
「俺だよ俺、ジャジャだよ。昨日話したジャン!
俺は今朝お前を待っていたのに来なかったネ!」
こいつら自分は時間を守らないくせに他人には
プロミスさせ真面目な旅行者につけこむ交渉術だ。
てかジャジャってこいつだ!
ということは今朝話したのは別人・・・・
oh no!アホなのは俺だった!!
デモカオオボエラレナイヨゥ!!
そこで何とジャジャは10日2000のディールをオファーしてくる。
「昨日3000って言ってたじゃん?」
「昨日は昨日、今日は今日だろマイフレン。」出たマイフレン。
こいつら基本他人がマイフレンド、ちょっと顔見知りになると
マイベストフレンもしくはブラザーに昇格する。
いいんだ、そういうの嫌いじゃないから。
ハナスとジャジャを天秤にかける。
別オプションをチラつかせながらハナスに値下げを交渉するがピクりとも動かない。
こいつはいつも即決。自分を持ってる。やるな。
5分ほど悩んだ結果僕が選んだのはハナス。
こいつの方が信頼できる、というのとやはりフィンが壊れた木のボードはNOだ。
「ジャジャソーリー、ハナスから借りるよ」
ところがジャジャは全くがっかりしない。
どころかおめでとう顔だ。
そういえばコーチンからバルカラ移動するとき
リキシャーに駅までの値段を交渉し決裂しそうになった際
近くにいた別のリキシャーにかけあってくれて
「こいつはそっち方面に行くから」と希望値段でいける
運転手を紹介してもらったことがある。
ボス同士も紹介しあってる。
めっちゃ商売熱心のくせに競争というより共同体の雰囲気。
とにかくありがとう。好きだぜみんな。
てことで念願のボードをゲット!した!!
明日から早起きする理由ができた!
波は良くないがサンセット直前に早速入水。
10分に1本かろうじてトライできる腰クラスのセットが来る。
30分3トライのうち2パーリング1吉本(ツルンと後ろコケ)。

カッコつけて意気揚々と海に向かうが
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テイクオフ遅くポジションも悪いショボい。
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それでも上機嫌でボードかかえて翌日の波を願いつつ帰宅。
軽く不安なので波情報を聞きまわるが
サーファー目撃情報もいい波情報もほぼ無い。
不安に襲われるが現実から目をそむけるのは
僕の特技のひとつ、料理して音楽聴いて踊って寝た。

–1/31(日)–
7時起床、波チェック。

昨日よりサイズはあるがやはり100m以上続くドダンパー
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開き直った俺。とにかく入るしかない。
セット感覚が長い。20分に1本か。

2時間6トライでやっと2メイクもほぼ降りるだけ。
サイズは無いが早くてホれたドダンパーに苦しむ。
ワイドなのでショルダーが50m先だorz。
見極め悪くショルダーが遠い、横に滑れない、
速いダンパーを克服できないレベルの自分が恨めしい。
風が落ち着く日没直後にもう1度入水も同じような結果。
いいんだぞ勇輝。
宿に帰るとみんなから「どうだったサーフィン?」と聞かれる。
「ユノウ、波が良くないんだよね、明日に期待さ。」
みんなが見てないのをいいことにクールに答える。
「までもパドル筋のトレーニングだと思ってエンジョイしてるよ。」
強がりも忘れない。というか自分へ言い聞かせる。
夕食時ラフールというインド人と知り合う。
ゴア出身でバリに長くいたというサーファーだ。
ジャジャよりよっぽど信頼できそうな雰囲気。
同じようにパドル筋の話をしながら
クールぶったところに衝撃の一言。
「バルカラはサーフィンするところじゃないよ、
いい波はほんとたまにしか来ないゼ」
知っていた。そう僕は知っていたんだ。
でも、だからこそ、言わないで欲しかったのに。
本当のことを伝えるのは時に最善ではないという
世の中のルールを知らないのかお前わ。
それでも「するならサウスクリフの方がいい」と
有用な情報をくれたラフール、さんきゅ。
その場は別の話題にふってタイフードを食べて帰宅。
タイフードが最高だったから良いと自分を言い聞かせ就寝。

–2/1(月)–
8時半起床。寝坊した。
急いでサウスクリフまで20分歩く。
確かにノースよりはピークが狭いかもしれない。
が数本しかメイクできずまたも悔しい思い。
胸クラスたまに来ていたのだが
どうしてもポジションが悪く切れ目にいない俺。
悔しい。

もがき苦しむ僕を心配そうに眺めるラフール
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点が僕、この波はよかった!がトライできず情けない
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この日夕方はコンディションが悪かったので入らなかった。

–2/2(火)–
10時起床。さらに寝坊。
波チェック、ほぼフラット。

ビーチきれいだな~
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無理やり入るが小さすぎて楽しくない。
夕方も入らない。
悲しい。

–2/3(水)–
9時起床。
波チェック、ほぼフラット。
もう疲れた。
昼に哲郎とチャット。
ダンパー克服方法を相談。
とにかくポジショニングだ。ポジショニング。
magic sea weedで翌日以降の波情報チェック。
見なければよかった。
どうしよう。
「きゃんたまちゃんに聞いてくれ!」
誰かが叫ぶ。
明日また早く起きれるかな。

寂しい結末にしたくないので最後はボス①のセクシーショットで。
湧き水(springといわれてる)があってそこで行水中。
ここ水は飲めます。エコロジー。

真ん中の黒いビキニがカレです。
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