勇輝ともつねづね話しているんだけど、旅の移動中は感傷的になる。

それは、進む速度ともしかしたら関係があるかも知れない。
相対性理論とか、なんかそういう都合で、
高速で動いているのに自分は動いていないとき、
人間の脳は、日常では忘れている何かを探りあてに動くのかもしれない。
違うか。
でも私は大概、長距離バスか列車か飛行機かの中で、
自分の中にある(もしくは無かった)何かを発見している。

勇輝は、流れる景色がポイント(速度を感じられる)だと言う。
だから飛行機ではそれはあまり起こらないと。
でも私は飛行機の中でもよく泣いたりしているなぁ。なんだろね。
勇輝は、流れる景色がポイント(速度を感じられる)だと言う。
だから飛行機ではそれはあまり起こらないと。
でも私は飛行機の中でもよく泣いたりしているなぁ。なんだろね。

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(山、山、山。切り込みを入れて作ったくねくね道をUP&DOWN)

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(運転手はかなり腕がよかった。加速と減速、強引さと寛容さのバランス絶妙。
でも基本、崖なのにめっちゃスピードを出す。対向車もびゅんびゅん。
キム君、バンダじゃなきゃサイクリングは無理だったよ・・・)

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(濃い緑。遠くの山並み。幼少の頃夏休みを過ごした会津の田舎を思い出していた)

とにかく、私はカトマンズからポカラへ向かう6時間のバスで、
また大人げなく泣いていた。
単に眠いのに眠れなかったからだろうか。
涙腺の最後の堰を壊したのは、またも音楽だった。

なぜか知らないけど、そういう曲は、
自分でもとんと忘れていたような、
もう熱心に聴かなくなっていた少し昔の曲だったりする。
もしかしたら、速度とともにある人間は、
物質として、どうあるかが問われていて、
硬度、粘度、純度、透明度などがあって、
その材質に合った、共鳴する音・詩というものがあるのかもしれない。
意思が聴きたいかどうかとは別に。
ダラダラとプレイリストを流しっぱなしにし油断していると、
それは不意打ちのように、 いきなり胸ぐらを掴み、心に何かを叫ばせる。


それってどんな曲だった?って言われると、
かなり恥ずかしい。べつに自慢できるもんじゃない。

でも、旅の恥はかきすて(?)。
全然皆さんの趣味じゃないかもだけど、
ちょっと貼り付けてみます。
ぜんぶ邦楽だし、統一感も脈絡もないけれど。


<ハナレグミ サヨナラcolor>
こんなベタな曲でベタにうるうるきちゃうなんて恥ずかしいとも思いつつ。
疲れていっぱいいっぱいになって、病気してじゃーって全部流れちゃって、
自分の中が空っぽになったような感覚があったからかな。
「あれ? 何してんだっけ私」、みたいな。
ただ、ここに、いる、何も、考えず、に、みたいな。
だからかなあ。よく分からないけれど響いてしまった。彼の声がよかったのかな。


<Daishi Dance feat. Lori Fine   Love, Trust, Believe>
びっくりした。これには参った。
はじめて詩聞いたきがする。
流れる景色と相まって、ああ、と思った。
私、信じられなくなってたのかもしれない、って知ったから。
自分のこと。自分の信じてたこと。
こんなに素晴らしい世界のこと。
TRUSTとBELIEVEも違うってわかった。言葉ではうまく説明できないけど。


<東京事変 閃光少女> (↑動画は私の好きな映画「時かけ」バージョン)
『1Q84』のBOOK3にあったけど、人間は時間の感覚を線で考える。
本当はどういう認識の仕方をしてもいいはずなのに。
砂時計みたく、こぼれ落ちる瞬間の空中にいる粒が今で、溜まった砂山が過去、でも、
風船に息を吹き込む、その一吹きが今で、ふくらんだ風船が過去、でもいい。
もう当たり前に認識してるはずなのに、それが初めてかのように
「今」という瞬間を知った。
今は今しかないのに、何かを待っていたことを。

ゆれる車内、ポロポロ泣きながら、
ぐにゃぐにゃの字でいろんなことをメモ帳に書き付けて、
ふと横を見るとハイこちら。平和。ハイ脱力。
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とにかく私は、「よし」という、腹に力が入った感覚を得て
とても満足していた。

バスを降りる。
ポカラに着いた。
みんな、ありがとう。

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(MIWA)


※PS
いい大人がわざわざ泣いた報告して、しかも曲まで紹介して、
ほんとキモいのだけど、移動中に泣くのはなかなかいいものだと
思っている自分もいて、複雑です。
まえにHALからボブディランの曲を送ってもらって、すごく旅が豊かになったから、
新曲を入手するでもなく在庫がまったく増えない私に、
おすすめの曲があったら教えてください。
ユーチューブにあれば落として聞いてみます。
データであれば送ってください。
いつでも、お待ちしています…