メトリのファームで、超簡単な靴下を編んでみた私は、
ちゃんとした靴下の編み方を知りたいと思うようになりました。
それでネットで検索したんだけど、
途中一度かかとのところで閉じて糸を切るやり方しか出ていなくて、
それはやだなーと思ったわけです。
だって、編み物のいいところは、失敗しても直せる、サイズが合わなくなったり飽きたら、
違うものに編みなおせるところだと思うから。

そこで、チリのプコンという小さな町にあった毛糸屋さんで、
最後まで切らずに編む靴下を習いました。


店内の様子。中央が、私が習ったマリア先生。店員さん皆が何かしら編んでいるのが素敵。

 

では、編み方です。
編み物を一応したことのある人向けに書きますので
まったくの初心者の方は、基本を本やネットで調べてくださいね。

 

***編み方***

・女性用、足首までの基本的な形
・毛糸 目安100グラム=靴下1セット(太さや編み方のゆるさにもよる)
・編み棒 輪編み用の5本セット(私は4号の細いのを使ったけど、太くていいと思います)

まず作り目をします。

8目づつ、4本の棒に。32目。

本当は長い平編み用の編み棒で一気に32目作り、輪編み棒に移すのが
いいんだろうけど直接輪編み用編み棒に作ってしまってもOK。
その場合、10目つくり、2目を次の棒に移し続きを作り、というふうにやるときれいにいきます。

2目ゴム編みをしてきます。(表編み2目、裏編み2目の繰り返し)

足首部分、13~14段編んだら、編み始めの棒からそのままメリヤス編みを始めます。
つまり輪編みなのでずっと表編み。この靴下は基本これです。
表編みの手が早い人なら1日で2足完成します。

メリヤス編みをぐるぐる20~21目編んでいきます。くるぶしあたりです。
ゴム編み部分もそうですが、このあたりの長さは好みで調節してください。
もーっと長くてもいいし、短くてもいい。(ただ、左右のサイズを合わせるために
何目編んだか書き留めておくと便利。あとで数えてもいいですけどね)
編みながら、そろそろ終わりかなって頃になったら
それぞれの棒にある目を8・8・8・8 から、
7・9・9.7 (作り始めからぐるっと数えて)にしておきます。
もちろん、編み終わったら手で移し変えてもOKです。

メリヤス輪編みを20~21目編み終わったら、かかとを作りはじめます。
手前の目が7・7、奥が9・9という状態で、9・9の18目を休ませます。※写真の下手にある方
(本当は糸を通したりして休ませたほうが邪魔じゃないんですが、
このままでも最初数目編めばスムーズになるので、私は棒をつけたまま放置してます。)
手前の7・7の14目を平編みして伸ばしていきます。つまり1本の棒に集合させて
表編み1段、裏編み1段というふうに、普通ーに編んでいくということです。

13~14段、というか、写真のように指4本分編めたら(子供用は指3本分だそう)、
減らし目を始めます。

表編みのときからスタート。残り5目まで編んだらストップ。
残り5目めと4目めの2目を一度に編みます。
(棒の入れ方に注目ください。ちょっと普通の表編みと違う)
そしたらそのまま裏返します。左の棒には残り3目がある状態です。

裏返したら、2目を一度に編んだ目をそのまま編まずに右の棒(つまり元の棒)に移します。
そこから裏編みを普通に編み、また残り5目まできたらストップ。

2目を一度に編み、

このようになったら、そのまま裏返し、

2目編んだ目をとなりに移す。そしてまたそこから表編みを開始。

今度は残り4目のところでストップ。
2目を1度に編み、裏返す。裏編みをし、また残り4目でストップ、2目一度編み。

裏返し、編み目を移し、表編み。

次は残り3目のところで2目1度編み。裏編みも同様。
最後に残り2目のところで2目1度編み。裏編みも同様。
目は6目まで減っています。

このように、マチができています。

そしたら、休ませていた目を含めて輪編みに戻るために、
編み伸ばしてきたサイドの部分に作り目をしていきます。

減らし目した部分から1つ外れたあたりから、このようにサイドの編み目に棒をさし
(必然的に2目取るような形になる)、糸を上から下にからめ、引き抜く。

このように1目できます。

1段飛ばしくらいで作り目を作っていく。
ここはかぎ針があれば楽ですが、棒でも根気よくやれば大丈夫です。

このようにサイドに作り目を。

別アングルからもう1度撮影。

また全体の目をもとの32目に戻そうとするなら、ここは4目でいい。
(9・9の18目休ませていて、減らし目した残りが6目なので、割って3・3。
3と足して7目にするためにはこの1サイド4目の作り目ということになります。)
が、4目ではスカスカになってしまうし、足の部分は足首よりゆとりがあったほうがいいので
私は合計36目を目指して、1サイド6目作り、最終的に9・9・9・9になるようにしました。

このあとそのまま、休ませていた9目・9目を編み、
逆サイドの作り目。

このように作ります。

減らし目をした残りの6目を3・3に割って、作り目をした棒にそれぞれ移すかたちで
9・9・9・9の輪編みをスタートさせます。

ここは勢いよく、どんどん編んでいきます。

36段くらい編みました。ここの長さは、実際足をそっと通してみて調節するのが
いいと思います。足の指のはじまりくらいまで編むイメージです。
でも、ここでくればあとはもう少しなので、実際最後まで編んでみて、
キツすぎたりゆるすぎたりしたら、この時点まで戻ればいいです。
とにかく、一度気楽に編んでみることが大事。

そしたら、つまさきの部分を作っていきます。
足の甲にあたる9目9目を休ませ、残りの目(ここでは9・9の18目)で平編みを開始します。
そう、かかとのときと同じです。

2本の棒→1本にすべく、平編みを開始したところ。

こんな具合に、1本の棒に18目がまとまりました。
奥に見えるのが、休ませている9目・9目部分。

つまさきは、すぐに減らし目を開始します。
減らすのは一番最後の2目。このように、2目1度編みをします。

裏返し、今度は裏編みですが、最初の1目(2目1度編みした目)は
編まずにそのまま移します。

このように、最後の目を減らし、裏返し、1目そのまま移し、編み、減らし・・・
と続けていきます。

こういう具合に。
もとが何目であろうと大丈夫。とにかく6目になるまで減らします。

減らし目完了です。6目になったとき、もし裏編みの状態だったら、
写真の形になるように1段何もせず編んで左に糸が終わるようにしてください。

ここからまたサイドに作り目をします。

6目つくります。

休ませていた9目・9目をそのまま編み、
反対側も6目作り目。

減らし目を終えた6目を3目づつに割って、作り目をしたものに足すと
このようになります。

つまり休ませていた9目・9目と同じものができました。
この状態で、中から編んできた部分を引き出し、ぐるんと裏返します。

裏返しました。

ここから、閉じていきます。

まず半分。
前側(減らし目3+作り目6)と、後ろ側(休ませていた目)をこのように合わせて持ち、
2目を表編みでいっぺんに編みます。
最初の1目だけ、糸が前から出てるのでやりづらいけど気にせず。

このように棒を入れ、

横から見るとこう。
これで糸をからめ引き抜く、つまり普通の表編み。
一度にいかないときは、奥の1目に糸を通しそのまま手前の1目に通すというふうに
1目づつやるといいです。

2目を一度に編むのを、2回やるとこのようになります。
そしたら右手の棒にできた、1目めを2目めにかぶせ、
2目めを引き抜き、右手に1目だけになるようにします。
(※写真にへんな糸のかたまりが映っているけど、
糸が足りなくて途中で継ぎ足した部分なのでお気になさらず)

ちょっと分かりづらいけど、かぶせて1目にしたところ。
右手の棒には、つまり2目めが残ります。

そうやって、前後2目を一度に編み1目作る →右手の棒にあった古い1目をかぶせる
→新しい1目を引き抜く →次を編む
という繰り返しで、閉じていきます。この写真のようになります。
半分までいったら、次の2本の棒を合わせ、そのまま続けます。

全部閉じ終わりました。

この編み方だと、閉じる部分がもろにつま先ではなく、
足の甲の指の上あたりに来るので強度が保たれます。
また、つま先部分だけ色を変えても可愛く仕上がります。

一度裏返し、履いてみて、大きさを確かめます。

大きさがOKだったら、後始末です。
糸を少し残して切り、目の大きな針で適当に近くの目の中に縫いこんでいきます。
(表に出ないように工夫してくださいね)
本体の靴下を上下左右にひっぱっても出てこない、按配のいいところで、
本体ぎりぎりで糸を切ります。(結んだりしないで大丈夫です)

できあがり!

つまさきの部分。
閉じた糸が目立だってるけど、ご愛嬌。同じ色の糸なら目立たないです。

かかと部分。

全体。
これは細めの棒で結構しっかり目に編んでいるのですが、
柔らかい糸でざくざくゆるく編んでも素敵だと思います。
一度やってみたらそんなに難しくはないので、
糸・棒・編み加減を加味し、目の数も自分に合わせて工夫してみてください。

 

***

上手に編めるようになったら、大切な人へのプレゼントにも。

最後まで糸を切らないから、編みながら履いてみてもらって
サイズを調節できるのが一番のポイントです。

 

*最後にゲージ表です*
(見づらくてごめんなさい)