満月とエビの尻尾(1月30日の日記)
夕方、勇輝と待ち合わせしたサウスクリフのターミナルへ。一度崖を降りて長いビーチを歩かねばな
らないので疲れる。勇輝はビーチ上の階段に座って待っていた。待ち合わせってのもなかなかよい。
無事会えた小さな喜び。リクシャに乗ってタウンへ。宿主ビバが教えてくれた「ハニーのスーパーマ
ーケット」、で通じた。ガバメントのやってる秘密の(どっちやねん)リカーショップは見つかった
けど休みだった。レシピを考えながらスーパーをうろうろ。調味料は最低限にしないとやってけない
。キッコーマンの醤油もあって感動したけどでかすぎるし高い。野菜を見てみて決めようってことに
した。バナナ一房(朝食用)と、ジャガイモ5個くらい、インゲン一束で40R。トマトの熟れたのを
じっくり選び、勇輝が思いつきで露店のエビを買う。臭えーっと思ったけどいいや。にんにくを5個
くらい買おうとして、5Rがない。そしてら「いいよいいよ」だって!私はラッキーと思ったけど見
たら勇輝が泣きそうな顔で感動してる。得意料理トマト卵炒めを作るぞ。味の素、米、卵をスーパー
で買い、おつりの10Rをにんにくのおっさんに走って渡しに行く。おっさんはまたおつりはないよ、
と困った顔したけどとっといて!と言うと照れ笑いしてた。帰って調理開始。皆にメニューを説明す
る。味の素を手に取り「ケミカルソルト・・・」と顔をしかめる一同。マーティンが「中華料理にはこ
れがないと」とフォローしてくれた。優しいな。しかしビバとヨハネスは卵が食べられないのだと。
残念。じがいもとインゲンを煮て(インゲンのすじの取り方を知らなかった勇輝に新鮮な感動)、へ
んなマカロニも一緒にゆでて、ザルがないのでフライ返しですくってボウルへ。味付けして、サラダ
になった。勇輝がエビを油で素揚げ。勇輝なりに味付け。うまい!カリカリだ。ヨハネスがフルーツ
やらにんにくやらいろいろミキサーにかけてカレーを作りだす。なんか味が・・・・と、私とパスカルが
見守る中、塩を入れようとしてドバっと入る。大笑い。必死で取り出したけど、もうヤケになってス
パイスいろいろドバドバ入れる。パスカルはダメだこりゃ、と頭を抱える。また大笑い。
皿やコップを皆で運んで屋上にゴザを敷く。満月だ。車座になって、皿を渡しあって料理を盛る。食
べる。笑う。皆が美味しいと褒めてくれた。旅で初めての自炊、でこんないっぱいの人と食べられる
なんて。幸せ。ごはんはみんなで食べると美味しい!単純だけど叫びたい程実感していた。パスカル
が丁寧に殻をむいてエビを食べている。私がそのままがいいよと言う。ヨハネスがトライする。尻尾
も?と恐る恐る。カルシウムだよと私。通じなかった。ビザの話。この宿の話。将来の夢の話。私た
ちも古い日本家屋に住んで安宿屋やろうかな。予約!とパスカルが手を挙げる。ドイツの自然の美し
さの話。皿を片付ける。背の高いクリスが小さくなって丁寧に洗ってくれる。屋上でチルアウトタイ
ム。勇輝がパスカルと立って話し込む(彼のもとカノの話、PCをインドに送った時のトラブルの話、
これまでの旅の話だそうだ)私は昨日ドイツから着いたというクリスの奥さんと英語が下手同士で精
神と身体のバランスの話。伝わったようなないような、でもお互いHUGしたい程感動していた。いつ
のまにかドラムとふえ(マーティンの友人という2人が合流)とスチールのゴミ箱でセッション。ど
しても気持ちよくなって私もコップをたたいて参加。最高の夜だ、と思って武者震いした。ジャーマ
ンが多いとしても、不思議な導きで集まった8人。明日はマーティンが宿を出ていくんだって。先に
寝るね。屋上から聞こえ続けていた太鼓。ビバの歌声。
新しい友達ができる。旅を語らう。人生を語らう。新しい本をどんどん読むように、自分の中に人生
のものがたりが増えていく。これが旅の醍醐味、と書きかけて、東京でもできたことだししてきたと
思った。じゃあ人生の醍醐味か。
明日はマーティンが宿を出ていく日。私たちもあと何泊かで出ていく。旅はサヨナラの繰り返しでも
ある。
ちなみに後日行った、町に一軒の秘密のリカーショップ。周りを伺いながら男たちが集まる不穏なム
ード。買った酒は新聞で隠されている。
ちなみに最後の日。スイス人のパスカルとその友人のいがぐりパスカル。折り紙のつるを教えてあげ
た。いがぐりパスカルの提案で糸を通し、素敵なモールが出来上がった。まだ飾ってあるかな。とて
も楽しく、寂しい思い出。

※バルカラでは、ドイツ人カップルが庭付きの家を借りゲストハウスにしたところに
泊まり、さまざまな外国人旅行者の共同生活のような9日間を過ごしました。
もう南インドしめくくっちゃった感じであれなんですがそんときの日記です。

夕方、勇輝と待ち合わせしたサウスクリフへ。
一度崖を降りて長いビーチを歩かねばならないので疲れる。
勇輝はビーチ上の階段に座って待っていた。
IMG_6854_sea_rs
待ち合わせってのもなかなかよい。
無事会えた小さな喜び。「あなた!」

P1305044_town_rs
リクシャに乗ってタウンへ。
ガバメント経営の秘密の(どっちやねん)リカーショップは休みだった。
レシピを考えつつスーパーをうろうろ。調味料がほしいけど厳しい。
P1305034_rsP1305035_rs

キッコーマンの醤油もあって感激したけどでかすぎるし高い。
野菜を見てみて決めよう。
バナナとジャガイモ、インゲン一束。
トマトの熟れたのをじっくり選び、
勇輝が思いつきで露店のエビを買う。
臭えーっと思ったけどいいや。

P1305045_rs
にんにくを5個くらい買おうとして、5Rがない。
そしてら「いいよいいよ」だって!
私はラッキーと思ったけど見たら勇輝が泣きそうな顔で感動してる。
大好物のトマト卵炒めを作ろう。
味の素、米、卵をスーパーで買い、おつり10Rを
にんにくのおっさんに走って渡しに行く。
おっさんはまたおつりはないよ、と困った顔したけど
とっといて!と言うと照れ笑いしてた。

帰って調理開始。
皆にメニューを説明する。
味の素を見て「ケミカルソルト・・・」と微妙な顔の一同。
マーティンが「中華料理にはこれがないと」とフォローしてくれた。優しいな。
しかしビバとヨハネスは卵が食べられないのだと。残念。
じゃがいもとインゲンを煮て
(インゲンのすじの取り方を知らなかった勇輝に新鮮な感動)、
IMG_6524_rs
小さなマカロニも一緒にゆでて、
ザルがないのでフライ返しですくってボウルへ。
味付けして、サラダになった。
勇輝がエビを油で素揚げ。勇輝なりに味付け。
うまい!カリカリだ。
IMG_6526_rsIMG_6531_rs
ヨハネスがフルーツやらにんにくやらいろいろ
ミキサーにかけてカレーを作りだす。
なんか味が・・・・と、
私とパスカルが見守る中、塩を入れようとしてドバっと入る。
大笑い。
必死で取り出したけど、ヤケになってスパイスいろいろドバドバ入れる。
IMG_6534_rs
パスカルはダメだこりゃ、と頭を抱える。また大笑い。

皿やコップを皆で運んで
屋上にゴザを敷く。満月だ。
車座になって、皿を渡しあって料理を盛る。
IMG_6540_rs
食べる。料理を褒めあう。しゃべる。笑う。
旅で初めての自炊、でこんないっぱいの人と食べられるなんて。幸せだ。
ごはんはみんなで食べると美味しい!単純だけど叫びたい程実感していた。
パスカルが丁寧に殻をむいてエビを食べている。
私がそのままがいいよと言う。
ヨハネスがトライする。尻尾も?と恐る恐る。
カルシウムだよと私。通じなかった。
ビザの話。この宿の話。将来の夢の話。
私たちも古い日本家屋に住んで安宿屋やろうかな。
予約!とパスカルが手を挙げる。皆が笑う。
ドイツの自然の美しさの話。
皿を片付ける。背の高いクリスが小さくなって丁寧に洗ってくれる。
屋上でチルアウトタイム。
勇輝がパスカルと立って話し込む(彼のもとカノの話、
PCをインドに送った時のトラブルの話、これまでの旅の話だそうだ)
IMG_6539_rs
私は昨日ドイツから着いたというクリスの奥さんと
英語が下手同士で精神と身体のバランスの話。
伝わったようなないような、でもお互いHUGしたい程感動していた。
いつのまにかドラムとふえ(マーティンの友人という2人が合流)と
スチールのゴミ箱でセッション。
どしても気持ちよくなって私もコップをたたいて参加。
不思議な導きで今夜ここに集まった8人。
ああ、最高の夜だ、と思って武者震いした。
先に寝るね。
屋上から聞こえ続けていた太鼓。ビバの歌声。

新しい友達ができる。旅を語らう。人生を語らう。
新しい本をどんどん読むように、自分の中に人生のものがたりが増えていく。
これが旅の醍醐味、と書きかけて、東京でもできたことだししてきたと思った。
じゃあ人生の醍醐味か。
明日はマーティンが宿を出ていく日だ。
私たちもあと何泊かで出ていく。
旅はサヨナラの繰り返しでもある。
「また世界のどこかで」。
本当にそう願いながら強くHUGをして別れる。
そうやって、沢山の出会いがもたらした知恵や希望や祈りや感謝や
なにより愛しさが体内に蓄積され、
毎日自分という人間がじわりじわりと変わっていく。
なんかそんな感覚がある。


ちなみに後日行った、町に一軒の秘密のリカーショップ。
周りを伺いながら男たちが集まる不穏なムード。
買った酒は新聞で隠されている。盗賊のいちみのような勇輝。
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ちなみに最後の日。
スイス人のパスカルとその友人のいがぐりパスカル。
折り紙のつるを教えてあげた。
いがぐりパスカルの提案で糸を通し、素敵なモールが出来上がった。
まだ飾ってあるかな。
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とても楽しく、ちょと寂しい思い出。

(MIWA)