まあアンバサダーのことは一旦忘れよう。
なんたって、
4000人来場の音楽フェス、LAKE OF STARSに
小学校から出店だーーっ!

早速はるお、じゃなかったフェリックスに話す。
すぐにスクールコミッティ(親や地元のコミュニティからなる学校の意思決定機関)
に話をしたいとお願いする。

携帯であちこちにかけていたフェリックスが部屋に来て、
明後日の朝、会議を開くことになったと。

うっしゃあ!!

できるだけ商品の案としてサンプルがあったほうがいいな。

作る。作る。(シブークブレスレットを改良中)

作る。作る。(ビンのふたやガラクタで部屋にぶらさげるモールができないか試行錯誤)


しまいにはこの状態。(てぬぐいハチマキ。おっさんか!)

はるお見てーー。
なんだそれは。

シブークの紙でマッチ箱もコーティングしてみた。これ可愛いかも!


いよいよ明日は会議。
勇輝は思案中。
(↓こんな感じで)

今回のプロジェクトが今までと決定的に違うのは、
俺たち二人が徹夜してやるとかでも到底無理で、
学校の皆と協力してやらないといけないこと。
でもそれって難しい。感覚も違うし。
第一、よく分かんない外国人がイキナリやって来て、
フェスに出店しよう!って熱く言われたって、
は?お前、誰?な訳で。
ジョニーのことを思い出す。
彼は現地の男たちを使って1からバーやら何やら作ってる。
彼が言ってたのは、彼らに、
「自分たちのバーなんだ!」と思わせること。そのためにガイドはするけど
あれこれやりすぎない、言い過ぎない。
・・・なるほどな・・。
援助を待つ姿勢じゃなく、自分たちの学校なんだ、お金を作るぞ!と
思って欲しいけど・・・。
真っ向からそれを伝えたってダメだし・・・。
あ、あと、明日のミーティングで何をどこまで決められるか、もだ。
期日を考えると、すぐにスタートできるようにもっていきたい。
でもまずは気持ちを1つにできるか、だ。
その前に信用してもらえるか、か。
ってゆうか、明日誰が来るのかも知らないじゃん俺。
作戦が立てられない。
やはりぶっつけ本番か・・・。

(以上勇輝の胸の内のうにうに)

 

ま、できることをやっておこう。
サンプルはいろいろ作っておいて、できるだけ具体的な意見が出るように。
勇輝はフェリックスに、皆が主体的に取り組んでほしいと思ってることを
共有しに行った。ちょっとトボけたとこがあるフェリックス。
分かったんだか分かってないんだかって感じだったらしい。
私は、得意の妄想を駆使して明日のシュミレーションをするんだけど、
→ぽかーーーーーんとされる
→サンプルを見せても、うんそれがいい、としか言わない
→実際誰がやるのか、誰も手をあげない
→結局私たちが泣きながら徹夜してやる
(またはエディに「ごめんなさい」する)
って、嫌~な展開ばっか浮かんで、ブルブル震えるばかりだった。
まいいや、寝よう。

 

朝9時。
職員室にぞろぞろ人が集まってくる。
少し緊張感がある。
10人、と私たち。
集まったところで、フェリックスが立ち上がり、英語で話し始める。
私たちの紹介からはじまり、
やろうとしていること。口調にどんどん熱がこもっていく。
私たちは耳を疑った。

「援助を、待っているんじゃなく、お金を作ろう。
これはビッグチャンスだ。できる。
私たちがやるんだ。OUR プロジェクトなんだ!」

ふわーーーーー。
はるお、かっちょいいいいーーー。
なんだよ、わかってくれてるじゃん!

そのあと、勇輝が挨拶し、
作ってきたサンプルを出して紹介していく。


これが素晴らしいアイスブレイクになった。


わあっと盛り上がり、笑い声が響く。

いいじゃないいいじゃない!試着して、笑う。


うん、これなら子供も作れるね、これは先生なら作れる、意見がどんどん出る。


シブークや瓶のふたを集めることは教育にもなるね、といい反応。

この、↑赤い服の女性が引き取って話し始める。
彼女はヴィクトリア。マンゴチで大きなバーを経営する、
この小学校の卒業生。さすが経営者。テキパキしてる。

「OK、上級生中心に、手先の器用な精鋭を集めましょう。
クリエイティブグループを作るの。
針が家にある子は持って来させて。
これらの案と、他にもアイデアがあれば持ち寄って。
シブーク、瓶のふたは子供たちに集めさせましょう。
瓶のふたは私のとこからも持ってくるわ。
明後日、また集まりましょう」

ひえーーーーー。
参りました。
全部、言ってくれた・・・。
分かってる。分かってるこの人。。。。

じゃ、行きましょうか。
と職員室を出る。
え?どこへ??


先生たちに話すのよ。
えええ??日を改めて、じゃないの?
嬉しすぎる!!

移動した教室には、
なんと、教師が全員集合していた。。。
ほんとに、ほんとに感動した。
こうだったらいいけど、そんなわけない、ってこと、
全部実現した。

フェリックスが私たちを紹介し、勇輝から挨拶したあと、
ヴィクトリアが現地語のチチェワで説明をしてくれた。
このほうがちゃんと分かるから、と。
その説明は、よく分からなかったけど、気持ちがこもっていて
頼もしいものだった。

信じられない。
完璧すぎる。
彼らと、一緒に、
うん。できる!!!

もりもり力が沸いてきた。

 

帰り、車を取り囲んできた子供たち。
握手しようとしたり、手を振ってくれたり。

うんうん。おばちゃん、あんたたちが好きだよ。
あんたたちの先生、スクールコミッティの大人の人たち、
最高だよ。大好きだよこの学校が。

ちょっと、なんか、ぐっと来てしまった。

 

道は開けた。
力を合わせて、一緒に頑張ろう。
一緒に。

<続く>
(MIWA)