マラウイ滞在もあと2日となった
午後2時。
今日の主役は、別の学校に行くことに決まった
校長ジョンからはなむけの言葉があったあと、
渡す人ともらう人が向かい合って立ち、
コチェスクールに20年居たというエスメは、
関係ないけど、赤ちゃんを連れてきてたクリスィー先生。
続いてケニース。
色男キャラ・ケニースは、奥様が多い先生たちの中で
人気の先生だったようだ。
プレゼント贈呈のときは、HUGの奪い合い競争があり、
スピーチでは、マダムたちをキャーキャー言わせながら爆笑を取っていた。
いろんな人たちからのスピーチで
やたらYUKI&MIWAって名前出して感謝や送別の念を述べていただく。
いやいや今日は先生たちが主役なんで・・・。
なんだか申し訳なくて、ちっちゃくなってたんだけど、
今起こってることが信じられない。
最高に幸せな瞬間だった。
受け取って、HUGして、あけたら、
かっこいい柄のチテンジだった。
「マラウィカルチャーをいつまでも覚えていて」と。
踊ったり写真を撮ったりしながら、時間は過ぎていった。
(私の大好きな大好きなメルシー。前世は家族だったかも。えにしを感じるのだ)
「Don’t forget us」。
それは聞くたびに私たちの心を
忘れないよ。
日が暮れて、宴は終わった。
*
最終日。
ピックアップトラックの荷台に乗り、
ジョンと会計担当ミリアムとともにマンゴチシティへ。
あと、「KOCHEスクールが昨日の新聞に載ていた!?」
という情報を元に図書館のようなところに言って新聞を確認。
あった!Lake of Starsに関する記事。
一緒に過ごした約半日。
あと、夕飯に招待されたよと。
夜。
学校の敷地内になるジョンの家へ歩く。
びっくりした。
えーー?マジでぇーー?
日本のミスター&ミセスキムラ、ミスター&ミセスイイジマに
どうかどうか宜しくとサンキューと伝えてと、
強く強く念を押され、手を振って、別れた。
まだ月は明るかった。
ジョンが何度となく言った言葉
「This is just biginning」
が、誇らしく、頼もしく、心に響いていた。
*
学校を救ったなんて程遠い。
彼らを変えられた、なんてとんでもない。
でもやってみたことで、お金が作り出せた。
だけじゃなく
先生たちが受けた刺激、新しい繋がりが生まれた。
小さなHOPEも生まれた。と思う。
それと・・・
セレモニーでのみんなの顔。歓声と拍手。
送別会に私たちの席があったこと。
先生たちがお金を出し合って私たちに贈り物を選んでくれたこと。
ジョンが今回のお金で建物を建てようと躍起になっている、
その理由が、そこにどうしても私たちの名前を入れたいからだったこと。
「寄付をする先進日本人。助けてもらうマラウイ人。」
そういう関係ではなく、仲間として受け入れられたこと。
教え教わり、いろんなものシェアして、忘れられない思い出ができたこと。
・・・
最初に10万円でもポンと
渡せていたとしても、はたしてこうなっただろうか。
私は・・・、
うじうじ悩みすぎたのかもしれない。
*
今回、私たちをこんなに頑張らせ、
そしてこんなに苦しませたのは、
「お金」だった。
これまでやってきたプロジェクトは、
すべて初めての経験ではあったけれど
単純寄付への抵抗ふくめ、自分たちの理想の形の中で行ったことで、
さらに「旅人なんで・・・」「シャカイコウケン初心者なんで・・・」
みたいな言い訳?逃げ場?をどこかに持っていて
だから苦労はあれど楽しかったんだと思う。
でもこの学校に出会って、
雨期の前にあの子たちに校舎をあげたい!と思って、
「キレイ事じゃねえ、金だ、現金だ」ってなって、
初めて、お金と真正面から向き合おうと決めて
今回のプロジェクトを始めた。
そしたら、もともと否定していたお金の寄付ってなんなんだってこととこか
頑張ることの美しさとクオリティの担保とか、自分たちの中の矛盾、葛藤、
いろんなものが湧き出て混ざってぐっちゃになって、
それでこんなに悩んでしまったんだと思う。
(コメントや個別メールでたくさん心配や励ましを頂いてしまい・・・
すみません、そしてありがとう。どれだけ救われたか。)
今回お金と向き合ってみて
正直「きっちーーなぁ・・・」「厳しいなぁ・・・」って苦しかった。
これが現実。
金額という意味での結果。
正直、目標には及ばなかった。
これも現実。
でも、真っ向から向き合ったおかげで、
がむしゃらにやってみたおかげで、
やっぱり、お金「だけ」じゃない、
と改めて、強く、感じることができたこと。
それが、
今回の総括になるのかもしれない。
お金。それはそれでもっと作れるような私たちになろう。
でも。
これまで自分たちの信じてきたもの。
お金以外の価値。
やっぱ、それだって思えたし、
お金・現実を認識したうえでこれから
私たちらしく、できること、
愛とかひととか繋がるってこととかHOPEとか
そういうものを大事に
等身大でシャカイコウケンに向き合っていこう。
最終的には、そう思えた。
*
荷物をまとめる。
モザンビーク国境を目指し、まずブランタイヤへ。
車は最後に、
学校の中を通り抜けてくれた。
わあああーーーーーー!!!!!という声。声。声。
木の下からちぎれんばかりに振られる手。手。手。
車の荷台で、私は涙をこらえながら
昨日の晩、酔っ払ったフェリックスが言ってた言葉を思い出していた。
「GIFTは人を幸せにしない。
その人の存在、ありのままそこに在る姿が、
人を幸せにするんだ」
無理をしないでいい。カッコつけなくていい。
カタチにとらわれなくていい。
こんなにありあまる、この気持ち、愛があればいい。
それで笑ってくれる人がいるなら、それでいい。
よし。
そしてブランタイヤに着き、
ケンに電話し、再会し、
私は、
アンバサダーに就任した。
キラキラした人になりたくない?
上等。
お前はキラキラなんかしねえよ。
もしくはもうとっくにしてる。
どっちみち、お前はお前。
変わりはしないよ。
ぎゅうぎゅうのバスはブランタイヤを発ち、
国境へと向かった。
終
(MIWA)