はい。
お着替えをすませた私たち。
まだ若干のモサさは残しつつも、これでいきます。
(※あ、これが幻のトレーナーね。いい赤だった・・・)
住んでいた経験も長くフランス語も上手で、でも
5年ぶりなの!と目をキラキラさせるママ。
その周りを「へぇー!」「うわぁー!」とピヨピヨ歩く私たち。
なんだか三蔵法師様と悟空・八戒を彷彿とさせなくもなかったのですが
とにかく愉快で楽しくて。
勇輝ママのエスコートのもと、
今まで味わったことがなかった、そんでもって
アフリカとのギャップにたじろぎまくった、
そんな素敵パリ、
ダイジェスト(でも長いヨ)でお送りします。
*
まずはママのお気に入り、
アンバリッド近くのロダン美術館。
↑勇輝がつけた題: 「2008年MVP」 ~カラオケボックスでのT郎の悲劇~
人間の肉体って、美しいんだなーって、彫刻って、情熱的なんだなーって、初めて思った。
でもこの凝視はどうかと思う。
*
妄想の中にも登場した、パリでのクラッシック鑑賞。
まさかと思っってたらある夜、シテ島のサントシャペルへ。
ここで夜のクラッシックコンサートですって???
きゃーー!!!!
今夜はビバルディの四季だって!
勇輝ははじめてのクラッシック体験。有名な曲でよかったね!
エントランスを入るともう、夢のような世界。
チャペルの中がコンサート会場に。
始まった。わあ!こんな目の前で!!
バイオリン3本にビオラ、チェロ、チェンバロ。
少し早めのアレンジで、息がぴったりで、楽しそうで。
勇輝はその魅せるパフォーマンス力に驚いて、あとでメインのバイオリニストにサインをもらった。
私はとにかく感動して、最初からずっとボロボロ泣いていた。音楽ってすごいよ、やっぱ。
↓ これ、前座でやってくれた「カノン」。素晴らしかった。
かなり早いアレンジ。ちょっと音が伝わりづらいけど、私はこっから泣き通し。
夜だからステンドグラスの色は見えなかったけど、
本当に美しかった。だけじゃなく、音の響きも素晴らしかった。
このコンサート、ほぼ毎日、夜の早めと遅め2回(演目を変えて)行われているという。
しかも、いっちばんいい席で約3000円。フルオーケストラじゃないとはいえ、
こんなクオリティの高いものを。日本の感覚、金額の高さとはかなり違うな、と思った。
演劇をやるシアター(駅にはポスターがいっぱい。皆気軽に観に行っている)と同様、
クラッシック音楽も、庶民にとって自然で身近なところにあるのだと思った。
それはとってもとっても羨ましいカルチャーだ。
(ヨーロッパの他の国はどうなんだろう・・? )
とにかく。最っ高でした。もうお腹いっぱいです!
*
ところが・・。
さて、来たる週末。
日曜には、どこもかしこも閉まってしまう。
私の発想なら「んじゃ、何もせずのんびり(=だらだら)と・・・へへ・・」
となるのだが、ママからの提案。
「パリを抜け出しましょう!」
きゅぴーーん!
かっこいいっす!スキっす!
かくして、土曜から1泊2日の小旅行、エクスカーション?エクスカシオン?
に出ることになった。
小さな車をレンタルして、目指すはロワール地方。
まずは地図で一通の多いパリ市街の抜け出し方を確認中。
黄色い葉の街路樹と、田園風景と、可愛いおとぎの国のような町をいくつも抜けて
車は大きな森の中へ。
駐車場のある、公園のような敷地内に入っていくと・・・
どーーーーーん!きゃーーーー!!!
シャンボール城。すんごい、すんごい、キレイ。すんごい貴族。
ディズニーアニメの映画の世界かとびっくりした。
はうーーーーここは何処?!!
そうでしょうそうでしょう。わかりますその気持ち。
って程にロマンチックシャンボール城。
1519~1547年で建てられたらしいけど、遠すぎて、長すぎて、イメージが及ばない。
フランソワさんとかルイさんの狩りのとき用のお城なんだそうだけど・・・
どんだけーーー?!!!
「源氏物語」とか「大奥」とか「華麗なる一族」とか、日本の貴族もかなりの栄華を極めてたけど
ハンパないねフランスったら。
でもそんな建物が今に残ってること、保全されてること、それが本当にすごいことだって思う。
日本はね、建物が木製だったからね。立派なお城も、風情ある町並みもそう、
ほとんど燃えちゃったんだよね。残念だな。
宿泊はこのめっちゃ可愛いホテル。
夜はちょっとドレスUPして、ホテルのレストランへ。えへへ。勇輝はママをエスコートね。
お料理1皿1皿をゆっくり堪能しつつ、おしゃべりも止まらない私たち(なんと、4時間も!)。
ステキバスルームを堪能しまくりの勇輝(ロダンと違って美しくない!失礼!)、
そんで爆睡。ちーん。
翌日はまた違うお城と、ワイナリーへ。
この地方のスパークリングを作ってるケイブを見学した。
最後に炭酸を注入するのではなく、2年かけて発酵させているというこだわりの泡。
試飲もさせてもらって、ワイナリーツアー3ユーロ弱。約300円。
しかもめっちゃ美味しいいわばシャンパンが1000円以下。
思わずママも私たちも2本ずつお買い上げ!
そしてお互いつぶやく・・・「買っちゃった・・・重いのにぃ・・・」
しかしさすがフランス。音楽もそうだけど、美味しいワインがいつもとても身近にある。
燃えるような夕焼けに背中を押されながら
車は高速を飛ばし
パリの街に戻る。すっかり時間の感覚を忘れてたけど
それは日曜夜。ブラボー!
パリの週末、こんな過ごし方もできるんだ!!!目からウロコ。そしてシアアセ。
*
んで、んで、もちょっといいですか?
そう、お食事!!
フランスといえば美味しいもの。
ここから、私たちがワナワナした、絶品レストランを振り返ります。
ボナペティー!!
まずは、牡蠣!魚介のプラッター!
サンジェルマンデプレ教会近くの・・・ル・プティ・・・忘れちゃった!
オトナの社交場って感じのステキ店内。みんな楽しそう!
山盛りの魚介と白ワイン。むふーーん。鼻血でそう。
分かった・・・。そうか。
私がずっと食べたかったのは、生ものだっ!!!
そう、はずせないのがRue de l’ouest のビストロ、トロケ。7時半の開店を待つ。
フランス人の夕食はだいたい8時~はじまるって感じ。遅い。
ここ、街の食堂って感じで、気取らなくて店員さんも元気でしかも安くて早いのだけど
もう、マジでマジでぜんぶ美味しかった!超、おすすめ!
次は中華なんだけど、ラファイエットの6階、シーチョワン。
絶品マーボー豆腐と、小龍包と・・私の大大大好きな黒酢(別注文)!くぅー!
素晴らしいタイ料理屋も。エティエヌマルセルにあるSILK&SPICE。
料理はもちろん(タイなのにめっちゃ上品な味!)、皿、グラス、カトラリー、
そしてインテリア1つ1つのセンスがヤバい。アジアンテイストってこんなかっこよくできるんだ!
最後はベトナム料理。KIM LIEN @モベール・ミチュアリエ駅近く。
はじめてベトナムレストランって入ったんだけど。どれもこれもめっちゃ美味しい!
ここで、私たちの中で伝説となった「エピセ事件」が起こる。
串焼きを頼んだ私たち。テーブルに来たのは串3本だった。
勇輝が「え?5本って書いてあったのに」と店員を呼ぶ。
店員のお兄さんは「昔はそうでしたが・・」とかごにょごにょごまかそうとする(ように見えた)。
嘘やごまかしが大嫌いな勇輝、カチンときたらしく
「NON!NON!NON!」と指を振りながらさえぎる。
「BRING THE MENU!」とにかくメニュー持って来い!と。
メニューに書いてるのにシレっと3本にする、その姿勢が許せないらしい。
半ばあっけにとられつつ見守る母と私。
兄さんがメニューを持ってきた。
おら見てみろ!5ピース入りって書いてある!
全員でメニューを覗き込む。
串焼きのあとに見えた文字・・・5epice・・・。
訳せば、「5種のスパイスの香りを乗せて」。
きゃーーーー!!!!勇輝赤面。店員苦笑い。母と私爆笑。
それからというもの、勇輝がちょっと偉そうな態度を取ると、
母と私で「あ、今エピセっちゃった?」と言うようになったほど、インパクト大の内輪ネタでした。
おわり。
*
最後に、3人で歩いたパリの街並みの写真をもちょっとだけ。
*
パリ。
すごいや。
原始的、直感的、原色、自然そのまま、
アフリカを約4ヶ月まわって、そういう部分に
惹きつけられ刺激を受け、感動してきたけれど
ここ、パリでも、心から私を感動させるものがある。
それは奥の奥、細部の細部、秘められ折り重なって、
調和して伝わってくる、複雑な色や音や味。
実はこういうものを味わうことを欲していた、飢えていた
のかもしれない。
それは贅沢なこと?なんだろうか。
アフリカからのバックパッカー生活の延長で
パンをかじって安宿で数日を生き延び、
すぐに他国へ飛び去っていたかもしれないパリ。
でも思い切って服を買い、芸術を堪能し、
美味しいものを味わうことができてよかった。
フランスに、パリに、マイリマシタと思った。
このアフリカとのコントラスト。
アフリカには絶対ないものたち。
論理的には非効率、無駄なものに注がれて続けてきた時間と情熱。
醸成、熟成された文化の深み、重み、味わい。
こんなことできるんだ。
クリエイション。
人間ってすごい。
ほんっとに夢みたいだった。
ほんっとに刺激を受けた。
ほんっとに幸せだった。
背中を押してくれて、
一緒に歩いてくれて、
最高の思い出をつくってくれた、
母に感謝。
忘れません。
(MIWA)