土曜日

大満足のアルゼンチン滞在をイグアスの滝で終え、
バスを乗り継いでやっと到着した。
マチュピチュで一緒だったディエゴ&エリーザを訪ねてやってきたのは、
ブラジル南部、サンタカタリーナ島の都市フロリアノーポリス(通称フロリパ)。

ということでブラジルの若者達のお宅に飛び入り参加、
数日間の居候生活がはじまった。

彼らは2人で1軒家を借りていた。台所は外。


荷物を置いて一休みしてたらパモ~ヤというとうもろこしのケーキを出してくれた。
響きが気に入りその後なにかにつけ「パモ~ヤ!」と連発していたら
アホな人のことをパモ~ヤと呼ぶと教えてもらう。
では皆さんご一緒に、「パモ~ヤ!」


その後食事まで出してくれた。とうもろこしご飯にマンジョッカ芋の炒めたもの、
ブロッコリーと 小さな豆をあえたもの、グリーンサラダ。
そう彼らはベジタリアン。
しかも味付けはハーブが基本で、油も調味料もほとんど使ってないそう。
素材の甘みがたっぷりで美味かった。


ちなみに彼らの冷蔵庫。何気に相当笑った。


そういえば彼らが今何をしているのかも聞いていなかった。
なるほどジャグリングで生計を立ててたのは昔で、今は大学生なんだ。
マチュピチュでもそうだったけどいつも2人は笑ってて、
言葉通じなくても感じよくて(僕らとディエゴの会話の8割は擬音語です)、
ほんっと陽気でナイスなブラジリアン。


大学で学んでいるのは「ナチュロロジー」という新しいコースで、
科目は人間の骨や筋肉、内蔵のしくみのような科学っぽい事から、
ハーブや植物、更に瞑想や世界各国の伝統的療法など多岐に渡る。

例えばインドのアユルベーダ(時間あれば懐かしの美和さん体験記もどうぞ)、
イギリスのリフレクソロジー(↑写真はテキストブックから)、さらに日本の指圧まで。

医学の代わりを全てできないが、
もっとナチュラルな食事やエクササイズを通じて人は健康で幸せになれると。
将来はまだ決めてないがそういったカウンセリングをする
「ナチュロロジスト」 という職業もあると言う。

なるほど。
ナチュラル志向ってちょっと怪しい臭いがしたりヒッピー的イメージがあるけど、
大学の学科にまでなってるんだと正直驚いた。
ここの他にもサンパウロに1校ナチュロロジーを学べるところがあるそうだ。
国や宗教に縛られず、良いと思える世界中の手法をくまなく学ぶ
というオープンな姿勢がなんとも好感が持てた。

 

うだうだしてたら夜になった。
聞くと今日は大学の仲間が集まる妊娠おめでとうパーティがあるから
一緒に行こう、と。
お、おうよ。ってみんな英語しゃべるのだろうか。。。


彼らの家は厳密にはフロリパから本土へ渡ったの隣の町パリョーサにある。
遠くに町の光が見えるが家の周りは畑と山。街頭が無ければ真っ暗だ。


岡の上の一軒家がパーティ会場、20人ほどの若者が集まっていた。
ディエゴ&エリーザはどっか行ってしまった、かつみんな英語しゃべらないorz。。
しばし居場所を探すのに苦戦。


真ん中の彼女が主役の妊婦さん。安定期になるとパーティを開くのがブラジル流だそう。


途中からみんな話しかけてくれて楽しくなってきた。
ちなみに見た目おっさんだけど(失礼!)みんな大学生ね、22歳とか。


みんな仲良くて、いいやつ等で、本当に素敵なパーティだった。


持ち寄られたプレゼントの数々。
上写真右端のゴウラからのプレゼントは手編みの帽子だった。
ごっつい顔して
Amor(LOVE)とロゴがかわいい紙袋も自作。既製品は買わない感じもナチュラル系。

 

ヒゲにドレッド、でかピアス。
日本にいたら間違いなくヒッピーと判断されそうな面々だ。
彼らのような若者がブラジル中からナチュロロジーを学ぶために集まっている。
エリーザはブラジルの大学進学率は数%と言っていたが(※web上には10%越えの情報も)
つまり彼らは恵まれた環境にあるエリート達と言えるだろう。

ヒッピールックのエリート達が青春を謳歌している姿は、
なんか、すげーいいなと思った。

 

日曜日

朝起きるとディエゴが庭の植物を愛でていた。


聞くと彼は大学の植物園の管理人をバイトとしてやっている
大の植物好きだそうだ。ナチュラルだね~。

朝食を食べ、今日の予定を話す。
「せっかくだから島(フロリパ)まで行こう!夜はマラカトゥも見れるよ」
と提案をもらい、いざ出陣。
てかマラカトゥって?


バス停まで40分ほど歩き(運よくヒッチハイク成功で15分に短縮)、


バスを2本乗り継ぎ、


1時間後、島の中心にある湖まで到着した。
どうしたいと聞かれ、海が見たいと答えたらOK、じゃあ1時間歩こう、と。
くぅ~歩くね~。


でもまたしてもヒッチ成功。ラッキー!
ドライバーの若い女の子は、助手席に置いていた財布入りのハンドバッグを
チャックも閉めず後部座席の僕のひざの上に置いた。
犯罪が多いと聞くブラジルだけど、このゆるい雰囲気。
フロリパだからなのか、ブラジル人の気質なのか。とにかく好き。

その後海を見て波チェック。
その情報は別途サーフ記事で書きます。

 

一通り海を堪能した頃には日が傾き始めていた。
そろそろマラカトゥが始まるから帰ろうと帰途につく。
いやだからマラカトゥって。。。マラカス?

帰りは渋滞でヒッチせずに1時間歩いてまた中心地に戻った。


歩く途中気になる植物を見つけては物色するディエゴ氏。


湖畔の芝生の上ではビールを飲む人、バレーをする人、ただたたずむ人。
ゆる~い雰囲気がよかったなあ。

 

18時。広場に行くと昨日のメンバーがマラカトゥを練習していた。
マラカトゥとは太鼓やマラカスのような楽器など打楽器のみで演奏する
ブラジルの伝統音楽のことだった。

先生らしき人もいないし演目とかはほぼ無く、ランダムに誰かが歌いだすと、
それに続いて太鼓が鳴り出し、マラカスガールズが踊りだす。
太鼓のリズムやダンスは基本的にいくつかの型の繰り返しなのだが、
聞き続けると心地がよく、自然に身体が動き出す。よい。

てか休日の予定はマラカトゥ練習ですか。。。

「なあ今週末どうする?」
「公園でマラカトゥの練習でもする?」
ない。
海へ行こうとかカラオケとかはあっても、
仲間と広場で太鼓を叩こうとは絶対ならない。
でも好き。


と思ったら横でディエゴはジャグリングを始めていた。僕の休日はジャグリング?


2時間くらいだったろうか。すごくいい時間だった。ありがとう。

その後夕飯を食べ、友人の車で送ってもらうことに。


橋をわたって島から本土に戻り、


パリョーサの家に到着したのは夜10時をまわっていた。

 

月曜日

今日から彼らはクラスがある。しかも木曜日にテストとのこと。
邪魔はしたくないので、数日の間、僕らは島(フロリパ)に滞在することにした。


素敵なバルコニーで朝食を。
するとディエゴがおもむろに中国からのお土産という笛を吹き出した。
ペルーボリビアのド定番「コンドルは飛んで行く」。上手い。
さらに料理もジャグリングもできるし植物博士、
この守備範囲でなんでもできるディエゴをまじカッコいいと思った。


あ、タバコも上手に巻けます。タバコも庭に植えた自家製。
ってどんだけナチュラル?


バス停までディエゴに送ってもらう途中、彼の管理する植物園を案内してもらった。


いろんな葉っぱをちぎってはかじったり香ったりさせてもらう。
この草は○○にいい、この葉っぱをすって香水を作る、などなどの説明も頂く。
めっさ詳しいしこの表情、本当に植物が好きなのが伝わってくる。

そして、素敵な植物園ツアーを終えた僕らは島(フロリパ)へ向かった。
ということで居候生活を中断、島でサーフィンを楽しむのだ。

(続く)