フアン宅での居候生活中のある夜。
家でゆるりと飲んでいる時にビールが無くなったので、
近所の売店までビールを買いに行った時のこと。

静かな住宅街。
人通りこそ少ないが、街灯に照らされた広めの道は
危険なにおいが全くしない。
昼間はうだるような暑さのカーリも日が暮れると過ごしやすく、
夜の散歩はとても気持ちが良い。

酒屋までの正味5分程度の時間だったろうか。
道中に見た光景が忘れられない。

みなが家の外に出て、音楽をかけ、
お酒を飲みつつ笑いながら踊っていた。
1人や2人じゃない、何個もの家の前で、
のべ何十人もの人々がゆるりと週末の夜を楽しんでいた。

 

素敵だったなあ。
これが、コロンビアの、サルサな街カーリの、日常かあ。
すっごく、感動した。
大自然の絶景や神秘の古代遺跡に負けないくらいの、
きらきら輝く景色が目の前に広がっていると感じた。

 

*

ガイドブックなどでよく
「この街は●●の文化でいっぱい、道を歩けばそのバイブを感じられるだろう」
なんて表現をよく目にする。
毎回楽しみにその地を訪れるけれど、
実際そう感じたことは、残念ながらほとんど無かった気がする。

カーリは、サルサで満ちていた。
サルサが溢れていた。
毎日毎晩、どこへ行っても、何やってても、
サルサが聞こえてきて、誰かが踊っていた。


なんか自然に踊る場ができて、周りをみんなが囲む感じになる。
まったく踊れない僕らにも手をとって教えてくれた。


ダンスの上手いセルヒオと、ノビア(彼女)のアンヘラ。ダンスが大好きなのが凄く伝わってくる。
コロンビア人カップルにとっては、性格や体だけじゃなくてダンスの相性も超重要なのではと思った。
(「もう愛は無いんだけどあのダンスは他の誰もできないのよね~」みたいな)


親子も当然踊る。まあこの2人は大好きすぎるのか抱き合っちゃってたけど。


ある夜は向かいのお宅のお兄さんがダンスの先生ということでみんなでレッスンを受ける事に。


「ウン・ドス・トレス、ッアー、ウン・ドス・トレス」
まさに老若男女問わず、みんなで何時間も汗を流す。


ダンスって本当に凄いと思うのは、笑顔を作り出すところ。
よく分からないとか上手くできたとか、それはやりすぎだとか、
自然にその場が笑顔でいっぱいになる。(リオデジャネイロでもそう感じたなあ)

サルサと聞くと赤いソースしか思い浮かばない僕らだったけれど、
サルサの魅力にふれることで
よりいっそうカーリ滞在が楽しくなったことは間違いない。

自称世界のサルサキャピタル、カーリ。
コロンビアに来たら是非来てもらいたいなあ。

 

<おまけ>

ってどんな音?どんな踊り?
ってな動画をどうぞ。まずは前述のセルヒオ&アンヘラ。
(動画貼り付けうまくいかずリンクで)

さすがカップルな息の合い方、と思ったけど、
これまたダンスが得意なホスエが変わってパートナーに。
何故こんなことができるのか、僕には全く想像がつきませぬ。。。
(同じくリンクで)