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インド合宿、その後何人も参加希望や検討のご連絡を頂くとともに、
支援物資も集まってきております。心から、感謝です。
ご連絡は8月15日まで受け付けておりますので、引き続きどうぞお願いします!

※現在、ある方からご提案を頂き楽器を使って音楽の授業をできないか?と検討しています。
もし楽器(ピアニカや笛など)が余っている方がいらっしゃいましたら、
ぎりぎりの告知で申し訳ありませんが、ご一報頂けると嬉しいです。

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さて、いよいよ南米最後の国コロンビアである。

アルパチーノのスカーフェイスのせいか麻薬のイメージが強く、
94年W杯で惨敗したサッカー代表選手が暗殺されるショッキングなニュースもあり
とにかく「怖い」イメージがあったこの国。

でも南米を半年旅してデンジャー先入観を完全に払拭した僕らにとって、
出会う旅人たちが「人が最高!」と口を揃えるこの国は、楽しみでしょうがなかった。


サンパウロからひとっ飛び、山に囲まれて土色の建物がびっちりと並ぶ首都ボゴタへ。

 

この国で行こうと決めていた場所がある。
世界のサルサキャピタルにしてなんだかドアツいと噂のカーリ。

しかもチリで出会ったコロンビア人、フアン(ニックネームはフアンチョウ)もここ出身だ。


(日本応援動画の撮影をした時に、通りがかりだったにも関わらず
通訳や人々の先導などで朝から夜まで丸1日手伝ってくれたフアン(右端))

 

連絡するとちょうど彼も里帰り中と言うことで、
カーリのフアン宅での1週間のホームステイが実現した。

この1週間、毎日文字通り24時間、一緒に過ごさせてもらった。
今までもお宅訪問や居候は結構して来たけれど、
ここまでどっぷりは1年半の旅生活の中でもマジ初体験の新感覚。
心でつながる友たちもできたし、
僕らが旅で一番見たいと常に願ってきた「普通の生活」を
リアルに感じられた、素晴らしき日々となった。

 

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チリでグラフィックデザイナーとして働くフアンは24歳。
今回は2年ぶりの、大学卒業後はじめての帰郷だった。

彼を待っていたのは、地元で働いたり勉強を続けている仲間達。
コレヒオ(小学校~中学校くらい?)の同級生達だ。


ひたすら毎晩、1日も休むことなく集まった。フアンお気に入りのゲンジョウカイ(?)ポーズにて。


飲んで、(うん、とにかく理由も無く呑み続ける、毎日)


踊って、(うん、とにかくどうしても踊る、毎日)


街で飛んで、


森の中で考え、


サッカーし、


重なって車に乗り込み、


誰かの家でだらだら。とにかく毎日一緒。
(友達の実家に入り挨拶も何も無く2秒後にこの状態でTVスイッチオン)

ある夜は、フアン帰郷記念!の同窓会が仲間の1人セルヒオ宅にて行われた。
FACEBOOK上の告知では4時開始だったが、ホストのセルヒオ達と家に着いたのが6時、
みんなが集まり始めたのが8時以降、というコロンビアンTIMEには軽く笑った。


って集まったのは毎日集まるいつものメンバー、
それだけみんなフアンを大好きなのが分かる。
いつもおとぼけ系のギャグを飛ばすフアンは癒し系の人気者。


飲んで笑ってメチャクチャになって、最高の夜だった。


ちなみに女性陣の会話はやはり恋話中心だったよう。
ハグにキスにサルサダンスとボディタッチの激しいコロンビア人でも、
彼以外の男性と手をつないだり膝の上に座るのはNGとのこと。
(の割にはそれ以上のタッチを何度も見たような。。。)

コロンビアの若者達のリアル、なんて言葉にすると仰々しいけど、
僕ら日本人となんら変わらないなあ、としみじみ感じた。
ただ、みんなそれぞれが、隔てなくとにかく仲が良かったり、
細かい事は誰も気にしないし、眉にしわ寄せて難しい顔してる奴もいない感じは、
「ラテンの血」と表現されるところなのかもしれないけれど。


セルヒオ宅に飾ってあった10年前の写真。みんな面影が残っていて愛らしかった。
それぞれ大人になっても変わらぬカタい友情、とてもいいものを見せてもらった。

 

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フアンの家は、人の集まる家だった。
家族に加えご近所さん、その家族や恋人、友人たち。
誰が誰だか分からないごちゃまぜなんだけど、常に人でいっぱい。
でも変な気遣いが一切なく、居心地の良い雰囲気が流れていた。


ある夜家に帰ると、何やらパーティの様子。


って何がある訳でもなく、とにかく飲んで食べて踊る。


隣に住むフアンのいとこ達。ぽっこりおなかを包む茶目っ気Tシャツを愛用するフアンは、
癒しキャラのせいか特に女性陣からの人気が高かった。


と思ったらゲームをしだす奴がいたり、


サッカー見だして興奮する奴がいたり、


家の外で音楽かけて飲みだしたり、とにかく何でもあり。

開始も終了も三々五々、毎日がゆる~いパーティ。
近所とか親戚とか、東京生活ではどうしても距離ができてしまっていたけど、
しんみり、いいなぁ・・・と身にしみた。

 

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そして、素敵なファミリー。


もう見た瞬間から大好きになった、この家に人が集まるのは絶対この人だから!と思うママ。
いいいーーっつも笑ってて、大きく包み込んでくれる。


それと、同じくいっつもニコニコしてる優しい優しいお父さん。


そして、料理人とカメラマンの2人のお兄ちゃん。

家にいると1日に何回も「ママー!」「エルマーノ(兄貴)!」
とフアンの甲高い声が聞こえてくる。
ふと見ると何が用がある訳で無いようで、台所でただハグしてたりする。
なんだろう、しゃべってる内容はほぼ分からないんだけど、
彼らの絆がの深さが頭じゃなくて胸に直接伝わってきた。

 

*

フアンがチリに戻る夜。
いつものように家には家族ご近所さん友人その他が集合し、
2年ぶりに帰ってきたファミリーの再度の旅立ちを見送った。


まあ、感動のお別れシーンと思ったらエンジンがかからず押しがけになったりとずっこけたけど。

そして家族と親しい友人たちと友に車に乗り込み
長距離バスターミナルで最後のお別れを。


仕事中に駆けつけた仲間もいた。


1人1人とがっしりしっかり抱き合って、正真正銘のお別れ。

2年間、この里帰りのために働いてお金を貯めてきたというフアンは、
少し寂しげに次はいつ帰れるか分からないと言っていた。
まじめで不器用で優しい、みんなの人気者。
コロンビアに戻って仕事をしたいと漏らしていたけれど、なかなか簡単じゃないようだ。

色んな思いを抱えながらも笑顔で手を振りバスに乗り込む姿を、皆で見送った。
気持ちはこもっているけど、涙とかとは無縁な、前向きでさわやかな、素敵な空間だった。

 

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家族、地元、仲間。
笑顔、涙、感動、喜び、楽しさ、寂しさ、愛情。
人生。

コロンビアのアツ~い街、カーリの端っこの方には、
なんか全てが、すごい濃度でびっちりつまっていた。

ANIMO!TE EXTRANO JUAN!!