南米に入って半年。
半年間ずっとなかったものがある。

でも、サンパウロに行けばある
と聞いていたものがある。

 

「自由」という名のエリア、リベルダージに向かう。
ふと足元に三つ巴。

 

ぼんぼりが並び、その先に大きな朱色の鳥居が見えた。
ここは世界最大規模の日本人街。

 

100年以上前に移民してきた日本人の祖先、「日系人」たちが暮らすコミュニティでもあり、
日本料理屋から日本の書籍漫画が揃う本屋、仏壇屋まである巨大商店街でもある。

ただ、近年他のアジア人の進出が目覚しく、2004年に東洋人街と名前を変えたそうだ。
道すがら話しかけてきた日系人のおばちゃんも、
「ここは今は中国人も韓国人もシナ人(東南アジア人のことらしい)もいっぱいだよ。
仲良くやってるよ。」と言っていた。
いいね!

 

半年間、私たちが南米大陸で一度も見なかったもの。
どーん、 たこ焼き屋!
(300円で6個入り。なかなか手ごろだ)

 

スーパーには、巻き寿司、おいなりさん、おにぎりなどのお弁当。
ぎゃーーぜんぶ食べたい!

 

嘘でしょ?! ・・まさかの高級手延べそうめん「揖保の糸」!!!
(約600円・・・手が出ず・・。)

 

そして・・・

極めつけは本格的 「日本のラーメン屋」。

私はコシのある縮れ麺と濃厚スープに「これ!これーーー!!!!」と
涙目で悶えた。他のお客さんが苦笑するほどの悶え。

私の何倍も何十倍もラーメンが恋しかったであろう勇輝は、
感動しすぎて無言だった。
うかつに話しかけられないほどのオーラだった。

よかったね、よかったねアナタ!

(味噌チャーシューメン、1200円也。)

 

いや、極めつけはもう1つあった。
半年、いや、もっとだ1年近くオアズケだった。

そう、「 I ・ZA・KA・YA 」。居酒屋!!!
ビールの味にクセがあるのと、お通しがちっと残念だけど、
お箸の袋(これすら感動)に書いてあるじゃない居酒屋って!
「いざかや・・・いざかや・・・」何度も唱えてしまうほど、嬉しい嬉しい響きなのだった。

そう!こういうの!メニューのこういう感じ!つまみがいろいろある感じ!!!
よっしゃあ、メニュー全部もってこーーい!
店ごと喰わせろーーー!!!

しかし・・・。 冷奴500円・・・。 しゅん・・・

刺身盛り1000円・・・。ひーーーー

これで精一杯な私たち。ちーん。

隣や向かいに居た駐在員らしきおぢさま達のいいオーダーっぷりを
キラキラした目で見つめ、「旅人さん?おうおう、ご馳走するよ」と
言ってくれるよう念じていたら勇輝にたしなめられました。

やっぱさあ、200円代のメニューもなくちゃねー、ねーー。
ワタミとモンテローザグループは偉大だよねーー。ねー。
負け惜しみを言いながら帰る ほろ酔いの帰り道。

 

 

そんでもって翌日も・・・

まずラーメン。

と餃子。
(餃子は今まで南米でも中華レストランで何度か食べたよ。でも皮が全然違って厚くて
エンパナーダみたいだったの!この餃子は・・・まさに餃子じゃった!!!はうー!)

 

それから、ちょうど休日だったので

露店ね!屋台ね! ウララーーーー!!!!

3周くらいしてやっと決めたのは(ラーメンで腹いっぱい+あんまり安くないのでめちゃ迷う)
えびのかき揚げに、つぶあんの大判焼きね! まじで、いやま・じ・で、うまかった。

 

関係ないけど「鬼木マッサージ」というコーナーにいた金髪アフロの女性が気になって
ついついマッサージ。
鬼木さんは知らないけど素晴らしい技。
至福。

 

〆は、キターーーーー! 牛丼、、キターーーーー!!! (失神寸前)

はあ、はあ、助けて。ほんとに、ほんとに幸せ。つゆだく。
日本がスキ。
ゾッコンLOVE。

 

 

と、サンパウロにあったものたちは、
私たちを驚喜乱舞させ、カサついた心を癒してくれたのですが、

ここまでは「あると聞いていたもの」。

 

私が一番胸を打たれたものがあった。

それが、日本人の「サービス」。

これはきっと日本人の持つ
「効率化」と「気遣い」と「勤勉」と「お客様サマサマ精神」の融合体。

日本では当然のことになりすぎて有難くなんて思わなかったけど
これは!すごいっっ!!!!と私は興奮して心で叫んだ。

本当に、これまで行った南米のどこにもなかった。
向かいのホーム、路地裏の窓、どこを探してもなかった。ここまでの感動は。

シエスタ(昼寝)と称し大事な日中に店を閉めちゃうのは当たり前、
ちょっといいレストランでさえ「このサラダとこのサラダの違いは?」の質問に
「NO SE(知らない)」と答えてしまう程の適当な接客だってオーケーオーケーの南米。
その南米人が「勤勉」と称える中国人が経営するスーパーもいっぱいあったけど、
私たちにすれば「いや、ここはさっともう1人レジ開けるだろ」とか「一旦携帯切れや!」とか
イラっとさせられたり、はたまた「なんでそんな冷たいん?私が何を・・・?」と
しょんぼりすることも多く 、
こんな感動を生むような質の高いサービスはや・は・り・
「日本人」のものなのだ!と再確認せざるをえないのだ。

(興奮しすぎ?熱くなりすぎ?)

大人気の日本食材スーパー。お客さんは長蛇の列。
なのに、どんっどんはける。とにかく早い。
空いたレジからじゃんじゃん客が入るよう誘導が徹底。
そして手が早い。正確。的確な大きさの袋に入れてくれる。笑顔でありがとうと言ってくれる・・・・
レジ打ちがプロ集団。光ってる!
す、すごい・・・。日本人すごい!!!ここで働きたい!(落ち着け俺!)

 

さらに!ラーメン屋で見たスタッフのコンビネーション。
お客さんは絶えないのに、入れる作る片付ける、いい回転!
いらっしゃいませー!ありがとうごさいましたー!(日本語)を
厨房含め全員で言ってくれる、こ・の・響・き!
きゃーーーー!もう一回お願い!

嗚呼、「サービス」・・・
世界に誇れる日本人のサービス・・・
こんなあったか~い気持ちで店を出るのはいつ以来かしら。

地元のブラジル人もいっぱい並んでいて、誇らしさはさらに膨らむのでした。

半年間どこにもなかった。
ラーメン屋でもそうだったけど、これ。これよ!無料のお茶!
「まじでっか!いいんでっか!?ほんまに無料でっか?!」
こんな嬉しいサービスがあろうか。
もはや、神。

 

ありがとう。日本文化。
ありがとう。日系人の皆さん。
忘れません。

私たちはちょっと胸を張りたいようないい気持ちで
飛行機に乗り込んだ。

おっしゃ次はコロンビアだ!

(MIWA)

PS:ここで書いた「南米になかった」はあくまで個人的感慨です。
南米でサービス第一に頑張るお店の方々いらっしゃいましたらごめんなさい&頑張ってください!