コロンビアという国をぱっと思い浮かべたときに
何が出てくるかって、
「人」だなー、と思う。
ペルーのように古代遺跡は出て来ないし
チリのように大自然を思い浮かべることもない。
アルゼンチンのように素敵なレストランの雰囲気も
ブラジルのように味のある街並みも頭には浮かばない。
もちろんどれもコロンビアにあるんだよ。
でも私たちにとっては、人ばかりが浮かぶ。
顔と、その人の言葉と、
その人と一緒にただそこに居た空気が。
***
その人を思い出すだけで
ちょっと笑顔になる。
ちょっと肩に入ってた力がゆるむ。
ちょっと物事の見え方が変わる。
ちょっと頑張ろうと思える。
そういう人が自分の中に増えることは、
パワーをもらうことでもある。
私はみんなのことを思うだけで、ちょっとやそっとじゃ負けない。気がする。
大好きなママ。
(一緒にいるだけで幸せになれる、憧れの女性だ。)
大好きなパパ。
(お茶目な人。みーんなにいーつも優しいの。)
兄ちゃん。
(カメラマンの長男ラモン。いつも何かを張り切ってやってる姿がすごくいいんだなー。)
(シェフの次男のアンドレス。いっつも優しかった。勇輝に料理を教えてくれた。)
フアン。
(優しくて、あったかくて、寂しがりやで、頑張りやさんのフアン。大好き。
フアンを思い出すと胸がポカポカするよ。君の夢が叶いますように。)
パウロ。
(イケメンにして3ヶ国語ペラペラの秀才パウロ。秀才にしてガールハントの天才でもある)
(ちなみにこちら、フーターズギャルを迷わずナンパ、の図。
外国人である勇輝を巧みにダシに使い、電話番号は自分でゲット。
パウロの言葉で印象的だったのは、勇輝がなにかに「スエルテー(グッドラック)」と言ったら
「スエルテ(ラッキー)じゃない、エキスト(サクセス)だ。自分で掴み取るんだ。」 だって。
感動しちゃった。 で、その姿勢で常にナンパにも臨むパウロ。頭が下がります。)
ホスエ。
(優しいホスエ。ホスエがいるだけで和むんだよね。お気に入りのブリーチTシャツにて)
ニコラス。
(つねに周りを笑わせるお調子者。日本語勉強中。ニコラスの口癖、
「プーーターー!(ビッチとか悪い意味。でもニコが言うと笑えて仕方ない)」は忘れられない。
西郷さんに似てることをを教えたらかなり喜んでた)
アンヘラとセルヒオ。
(頭がよくて心がきれいなカップル。勇輝に根気強くステップを教え続けるアンヘラ
の後ろでサルサのリズムを叩き続けるセルヒオ。シュール。)
コレヒヨの仲間、フアン家の近所のみんな、親戚のみんな、おばあちゃん、
みんな大好き。
(ごめんね、書ききれなくてまとめちゃうけど。)
シルビア。
(カーリの後訪れたメデジンで泊めてくれた、パウロのいとこ。大学生で、
歌手で、コスプレーヤーで、日本語の歌歌ってる。萌え~。)
シルビアファミリー。
(お世話になったパパ、いつも元気なママ、お見送りもありがとう。
妹のシルビア(姉と同じ名前っ!)と弟のオスカル。超ーーーー可愛かった!)
あと、コロンビアでは、素敵な日本人夫婦×2も。
たくさん話してたくさん刺激を受けた。
ワンプラスの二人。
(ふたりのブログを見て、面白そうな夫婦だなーと思って、メデジンに会いに行った。
旅の話、未来の話、夫婦の話。多くの共感と気づき。旅は一生続けられるものなのだね!
これは水族館&科学館みたいな所で、飛び出す映画を観てるところ。)
あっちゃん夫婦。
(私の昔からの友人あっちゃんは、奥様と一緒に首都ボゴタで10年頑張っている。
コロンビア唯一の日本人経営旅行代理店「アルコJM」を一から作り、
団体客の受け入れから、NHKの取材のアテンド、大使館や国際会議の通訳と奮闘中。
コロンビア滞在の最初と最後に居候させてもらったんだけど、
毎日、自宅の中にある事務所の部屋から聞こえてきたのは、あっちゃんの電話の声。
「オラー! コモエスター? ビエンビエーン!!!」
どんなに疲れてても、寝てなくても、この元気な笑顔の声。
コロンビアを離れてからも、ふっと浮かんでくるこの声は、思い出すだけで、背筋が伸びる。)
***
コロンビアの人たちと一緒に過ごす中で、
最初びっくりしたことがある。
適当さとか、ゆるさとか。
(例えば、「今日は民芸市場へ行こう!オー!」ってなって、
バスや電車に乗って行って、でも途中で「あ、あいつがここで働いてる、挨拶しよう」って
しばし待って、その子が出てきたと思ったら少し話して抱き合ってバイバイして、
そういうこと3回くらいやって、なかなか進まなくて、ご飯食べようってなって、
そしたらそこに仲間が集まり出して、
さっき挨拶した子たちも来て(後で会えるなら挨拶いらなかったじゃん!と思わずつっこむ)
盛り上がって、結局民芸市場までもう少しの所まで行ったのに、たどりつけなかった、とか。
そういう感じ。)
そんな皆の行動に心で「オイ!また?」「そこで?!」「今なぜ?!」とか
ツッコミを入れていたら、自分に染み付いたものを知った。
効率化。ダンドリ重視。無駄を省くマインド。
つくづく私は、待つこと、回り道、みちくさ、逆戻り、目的が決まってない状態ってのが
苦手というかハラハラしてしまうんだなと知った。
徐々に慣らしていこう。
コロンビア人になってみよう。
深呼吸、深呼吸。。。
(すぐ「今、何待ち?」とかソワソワしてしまう私。 ただ今キス待ち・・・)
(待ち合わせにただでさえ遅れてんのに、ただ今パウロのナンパ待ち・・・)
(15人集まるのに、朝まで飲むのに、つまみはポテチ1袋。あっという間。
誰も気にしない)
(30人集まってるのに、おもてなしはエンパナーダとポップコーンのみ。あっという間。
誰も気にしない。)
数々の衝撃を受けている間に、
だんだん「これでいいじゃーん」って思えてきた。なにしろ、心地よいのだ。
みーんな笑っている。
それだけじゃない。こういうゆるさって、なんというか、
大きな大きな「寛容」を全員が持っているからだって気づいて、
だからこそ本当に大事なものだけがあるんだって、
うまく言えないけど、そういうふうに感じた。
とにかく幸せだったんだ。
東京の私たちの部屋には、いろんな人に来ていただいてきたけれど、
そういえば私は皆に
「美和も座ってよー」と言われてばかりだったと思い出す。
お酒が切れちゃダメ、あ、なにもつまむものがない!寒くない?暑くない?
そういうのって、日本人の美しい「心遣い」であって、素敵なことだって誇りにも思う。
でも、コロンビアでの日々は、新しいイメージを与えてくれたんだ。
「来てくれてありがとう。好きだよ」の気持ちは、
アツアツの料理を出すこと、お腹一杯食べてもらうこと、心地よく過ごしてもらうこと、
がたとえ少し不十分であっても
ちゃんと迎えること、見送ること、一緒にたくさん飲んでおしゃべりすること、
でもしっかり伝えられるんじゃないかって、そう思えてきた。
ただ、一緒にそこに居る、それが最高。
お酒がなくなったら、夜道を皆で買いにいけばいい。それもまた楽し。
こんな新しい感覚になったのは、
ずーーーっと一緒に過ごした、みんなのおかげ。
***
いっぱい家族ができた約3週間。
みんなから
いろいろ受け取ったものがあるよ。
一緒に食べる美味しいごはんとか、
フアンのママにもらった手作りエプロンとか、
キャンペーンガールにゴリ押しして勇輝のために手に入れてくれた限定Tシャツとか、
公園でパウロが写真屋さんに頼んで撮った記念写真とか(見るたび謎に泣ける・・)、
パウラちゃんにもらったコロンビアの国旗色の腕輪とか、
酔いつぶれた翌朝の朝ごはんとか、
お手製のバースデーケーキとか、(失敗してヘコむシルビア)
シルビアママの手編みのマフラーとか、
(オスカルからも謎にでかいおもちゃのビールボトルのプレゼント!)
あと、あと、
一緒に見た夜景とか、
その後のわるふざけとか、
温かい時間とか、
爆笑とか。
別れの切なさとか。
いっぱいもらったよ。
ありがとう。
本当に、ありがとう。
絶対にまた、行かなくてはいけない場所ができた。
だって家族がいるんだもの。
また会える日まで、どうか元気で。
アディオス!アミーゴス!エルマノス!
(MIWA)