(まだちょっと気持ちが収まらなくて、も1個、雑然とした投稿。)

ポカラ最後の夜、タラたちと別れ、
宿に直行する気になれなかった私たちの足が
勝手に向かったのは、
何度か行っているネパール版居酒屋。

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今日は何となくお祝いなので、豪勢におつまみ盛り合わせ。
ビールを気前よくじゃんじゃん頼みながら、
お互いの気持ちを発表し合う。
(↑このへんが「暑苦しい夫婦」たる所以。)

あーーーーー最高だ!!!

これってなんだろう。
疲労と充実感。
「超きもちいいー!」と勇輝。
「なんも言えねえ!」と私。

シニカルな目で客観視すれば、
とんだおめでたい夫婦。
でも、でも、
本当に本当に、とにかく嬉しかったのだ。


***

ほんとに出来るのかな・・・不安もあったけど
とにかくやってみようと、動き出した中で、
いいんだという納得感とパワーをくれた、
タラと作業場の女性達、みんな。

タラが教えてくれた。注文が入り出してからの、女性達の反応。
「ねえ今どれくらい注文来たの?」「もっと頑張らなくちゃ!」「今日はもう少し残れる!」
活気が出て、キラキラといい顔になって、作るものに熱意が感じられたという。
休日のはずの土曜日も、
家族の世話をしなくてはいけないのに、4人が出てきてくれた。
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明日も来ようか?自発的に休日出勤を申し出てくれた。ふんわりバッグは彼女が縫っている。
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子供が熱を出したから・・と連れて来てまで作業をしてくれた彼女。
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ごめんね。ありがとう。早くよくなってね。
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娘のクリスピーとボランティアのレイチェルも、一生懸命手伝ってくれた。

***


そう、
オーダーが入り出したとき。
1通1通のメールに
ハイタッチで歓喜した私たちだけど、
P5189295_rs(←まさに歓喜の瞬間。タンクトップきもい!)
実際の注文数と同じくらい嬉しかったのは、
皆からの声だったりする。

・メールに添えられた「素晴らしい企画だね」「応援してるよ」「頑張って」の言葉の数々
・思ってもなかった人からのオーダーと「ブログ欠かさず見ていたよ」のコメント
・友達に紹介したよ!今まとめてるから待っててね!のメール
・欲しいものはなかったのだけど・・と、ブックカバーやiPadカバーといった新商品の提案を
作り方の動画もつけて送ってくれた人
・「遠くに居ながらも現地の人の役に立てることが嬉しい」と 感動的なコメントをくれた人
・国連職員の人から届いた、「国際協力って、身構えなくても
こういうところから始めるべきなのかも」という言葉
・小学校時代の友人のお母様から「HOPEに賛同」というタイトルのオーダー
・ブログ、ツイッターでリンクを貼ってくれた人たち
・紹介があってメールをくれた、はじめまして、な人たち(10人も!)
・何に使うかを書いてくれた人。「彼女とのデートに」とか、「天気のいい日に
娘と一緒にバッグを持って公園を歩きたい」とか、「妻にプレゼント(内緒で)」とか
・・・
オーダー45件って書いたけど、
それでも本当にびっくりな数なんだけど、
さらに多くの人が関わってくれて、応援してくれていたんだね。
これを感動せずにおれますか?!

ビールが進む。

***

もう1つのトピック。
つながること。広がること。

その中で、手段としての、インターネットのすごさ。
もう私たちはこういう世界にいるのだな、とつくづく思う。
私はもともと手紙を書くのが好きだし、メールよりは電話、よりは会いたい人間で、
ネットでのコミュニケーションが過剰になっていく世の中を
ちょっと斜めに見ていたところがあった。
2チャンとか、中傷とか、出会い系とか、自殺サイトとか、あーあ、やだなぁ・・って。
でも、今回気づいた。インターネットは道具でしかない。
その道具を使って、何をするか、なんだね。
ミシンを1台買うことも、誰かを笑顔にすることもできる。
それが直接会って、だろうと、インターネットだろうと、
そんなことどっちでもよくて、
どれだけ深く共鳴するか、なんだね。
だって、紹介を介してメールをくださった、会ったこともない10人、
その人たちのこと、なぜかすごく近く、親しく感じている。会ったらきっとHUGする!
紹介してくれた人の持つパワー(魅力)によって、
わざわざこのブログを見て、共感してくれたんだなとありがたく思う。
私にとってとかく響きが悪く聞こえていた“ネット社会”も、
使い手の思いとか意思によっては、そう捨てたもんじゃないんのだ!・・と。

もしかして、世界をちょっとだけ良く変えるために、
私たちの世代ができる、新しい方法やカタチがあるのかもしれない。
これは私たちにとってちょっとしたHOPEかもしれない。

とにかく、
今回、私たちが、じゃなく、「みんなで」できたことが嬉しいんだ。
つながってくれた人に感謝。
つなげてくれた人に感謝。

薄っぺらく繋がってもきっと意味はない。
今、まだ会ったことのない人も含め、
このページの向こう側にいるみんなのことを
すごく好きだと思ってるこの気持ちを信じたい。

もう1つ、確かなのは、 今この瞬間も、
私たちと、皆と、タラたちが
国境をまたいで強く繋がっていること。だ。ね。うん。


ああ、ビールが止まらない・・・

***

なんだったのだろう。
どうしてこんなことになったんだっけ。
インド・ブッダガヤのときと自然に比較して考える。
今回のプロジェクトの発露は、
「タラを支援したかった」、これに尽きる。

偶然見つけた、このタラという女性、
彼女は、村の女性たちに「HOPEをつくる人」だった。
そう直感し、次に確信し、
皆の力を借りて彼女を支援でき、
彼女の最高の笑顔を見ることができた。
それはきっと、必ず、
多くの笑顔とHOPEを創り出すことに繋がっていく。
だって彼女は人生懸けてるから。


正味10日間、という短い期間だったけど、
彼女らと毎日一緒に過ごした素晴らしい時間と、
みんながくれた大きな感動を、私たちは忘れない。
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(タラ&キムの家にて。)
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***

私は、
1人の女として思った。

タラのような女性に出会えたこと、
これからの人生でタラが胸の中に居続けてくれること、
それがなんと素晴らしいことなのだろうと。
まだ40歳手前。そんなに歳は変わらないけど、偉大な先輩を1人持った気分。
タラを見てると思う。
「女はやること(の種類)がたくさんある。」
勉強、仕事、結婚、出産、子育て、心と向き合うこと、身体と向き合うこと・・・。

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15歳で結婚し17歳で子供を産み、3人の実子と2人の養子を育て、
(町で見かけたストリートチルドレンに声をかけ、連れて帰って養子にしたのだそう!)
病魔と闘い、打ち勝ち、人生を考え直し、
(死寸前までの癌、どれだけ苦しかっただろう。子宮の摘出、どれだけ悲しかっただろう)
そこから「残りの人生は人のために使う!」と奮起し、
もう一度学生となって学び、がむしゃらに仕事をし、思春期の子たちを健やかに育み、
店に来たさまざまな人を受け入れ、笑い、吸収し、謙虚に学び・・・・・・。
彼女からはものすごいエネルギーが発せられていた。
いったい今日まで、何人の人に向けてどれだけの容量の愛情が 彼女から放出されてきたか。

女はあらゆることに翻弄される。如何様にも姿形を変える。
でも、愛情だけは枯れることなく湧き続ける。
きっと、それができるのが女なのだ。
彼女を見ていると、私も何だってできるような、勇気が湧いてくる。
焦ることはない。でものんびりしている暇はない。

またいつかタラに会いたい。 子供が生まれたら、タラに抱いてほしい。
どれだけ喜んでくれるだろう。

私は家族ネタにすこぶる弱い、と以前書いたけど、
“いつか子供ができたら抱いてほしい”と思う人、
思い出しただけで愛しくてちょっと泣ける人、
そういう人たちはもう、私にとっては家族なのかもしれないな。
思い浮かべると結構いっぱいいた。
日本にもいっぱいるじゃんと気づいた。

「帰る場所が増える」、「家族が増える」、
そんな旅ができたらいいなと頭では思っていたけど
本当にそう思える感覚が、 こんなに素晴らしいものだとは知らなかった。
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***

タラの店の奥の作業場。
私は女性達が布を織るところを眺めるのが好きだった。
横糸がぎゅっぎゅっと織り込まれて、その瞬間、布の一部になるのが素敵だった。
もっと、ずっと居て、もっと仲良くなりたかったな。
彼女たちのお家に行って子供達に会いたかったな。
ネパール語もっと勉強して、みんなと毎日いっぱいおしゃべりしたかったな。
http://www.youtube.com/watch?v=IW66m7lFNDQ

最高だったネパールポカラプロジェクト。
でもまだ終了じゃない。
家に帰るまでが遠足です。


商品が無事全員に届いて、
開封して手に取ったその布地から、編み目から、
1人1人に、なにか温かいものが伝わることを願って。

ただブログを見てくれた、心の中で応援してくれていた人の心にも
なにか心地のいい柔らかなものが残ることを願って。

反省会を終わります。
(MIWA)