いやーヤバいっしょウユニ。
コメントメールtwitter、反響ありがとうございます。

もしかしたら将来ホントもしかしたら行こうかな、
少しでも頭をよぎってしまった方へ、
たまには書いてみよう実践編、お届けします。

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交通

ウユニの街はラパスから約10時間。
ラパスのバスターミナルに行ったら4-5社はウユニ行きのバスがある。
ウユーニ?アケオーラ(何時)?クワント(いくら)?
と西語できないんですというアピールとともに狂気的に叫びましょう。
いずれの会社も毎日夜7時発、1人100ボリビアーノ(1200円)でお届け。

街のエージェンシーが手配するよと優しく微笑みかけてくるけど
120-150ボリは取られるから直で行ってまいましょう。


こんなバス。車体は雨季の悪路でこんな状態になるけど、中は結構快適な空間です。

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ツアー

ウユニの街と塩湖は約30km離れていて、
塩湖に行くにはほぼ全ての人がツアーを頼むのが常識。
代表的なツアーは2泊3日か3泊4日で
塩湖+まわりのラグーンとか火山とか?通って南へ南へ、
チリ国境まで行くやつ。1人700-800ボリビアーノ(ラパス価格)。
地元の人によれはそれはそれはスゴい景色らしいし、
そのままチリへ抜ける事もできる。

塩湖にしか興味がない僕らのような人は
ラパスの代理店はあまり扱ってないのでウユニの代理店へGO。
1日ツアー(11時~12時出発で塩湖と電車の墓場?へ行って夕方には帰ってくる、ランチ付)
で1人100-150ボリビアーノ(1200円~1800円) 、
塩湖内にある塩のホテル 宿泊の1泊2日で300ボリ前後。

軽く数万消えるようなアフリカのサファリを考えると
南米のツアーはホント、安い。あ、でもインカトレイルは別ね(300USドル)。

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青の世界

ご紹介したような景色を見るには2つの条件が必須。

・前日(当日朝とかでもいいのかな)雨がしっかり降っていること
・当日しっかり晴れていること

僕らはラッキーにも行った当日に条件そろっていたけど
ベストコンディションのために雨待ちをする旅人もいるとか。
あ、あとビールを事前に買っておいて塩湖内で飲むのもよかった。


(塩湖を走りぬける4X4 は浮いてるみたい。日本チームが旗立てて走ってた、いいぞ!)

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ホテル

で、僕らが取ったのはちょっと変則プラン。

・夕日を見たい
・星空も見たい(見なかったけど)
・起きれたら朝日も見たい(見なかったけど)
・他の客とちょっと離れてゆっくりしたい
・翌日の天候が変わった顔も見たい
・でも電気もシャワーも無い塩のホテルで1泊はゴメンだゼ
(塩湖の中に唯一あるホテルで全部塩でできてるのが売り、
1泊2日ツアーはだいたいここに泊まるもの)
・てか、そもそも第一塩でできてるとか興味ねーし

でというわがままを叶える、
「1日ツアー頼みつつウユニの街には帰ってこないでホテル個別手配」。
色々聞いたら塩湖の淵に3つだけゴージャスホテルがあるとのことで、
そこにアタックしてみようと。

3つの中から僕らが選んだのは、2年前にでき一番新しいという 「crystal samana」。
水がたまって鏡張り景色の見える雨季 は
日本人的にはばっちりハイシーズンだけど欧米人的にはローシーズン。
予約ナシだけど一部ツアー客以外ガラガラ で簡単に部屋を取れた。

1泊2食付き、2名で95USドル。
高い、高いよボリビアーノ的には絶対的に。
でも、しっかりちゃんと高級ホテル。

当然アラはあるけど部屋もシャワーもベッドもすんげーキレイだし、
食事もうまくてウェイターさんがスープをテーブルで取り分けてくれる
というボリビア史上あったであろうかというサービス付き。

更に驚愕の事実。
ここも、塩の、ホテルだった。
全然興味ねーと思ってた塩でできた壁、ベッド(の台)、オブジェ、
かなりツボというか萌えている自分を発見!
真っ白で気持ちいいし、塩ってことでなんか清潔な感じだし、
好きだぞ塩!ビバ!塩のホテル!!

塩だらけの体をアツ~いシャワーで洗い流して夕日に備え、
夕日を見た後は美味しいご飯 、ふかふかベッドで安眠、そしてステキ朝食。
で、2人で95ドル。
いや絶対安いってこれは。

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夕日

4時くらいにホテルについた僕らはシャワー&一休みの後
夕日を見に再び塩湖内へ。
水がちゃんと張ったところまでは徒歩で約20-30分程度。


残念ながら夕方は雲が出てしまったけれど、やっぱ特別。

ちなみに夜空鏡張りはこの20-30分徒歩がおっくうで、
てか夜キモチよくビール飲んだからだけだけど、行かず。

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交通②(塩湖→ウユニの街)

さて、素敵ストーリーだけでは当然終わりません。
高級ホテルに大人ステイの代償は、ここに待っていました。

街まではタクシーで帰るしかないとの事でフロントにタクシーをお願いする。
そう、颯爽と高級ホテルの住民らしくカウンターに肘を置いてね。
しばらくしてマネージャーさんが部屋に来る。
タクシーは200ボリ(2400円)だと。

ん?俺らの塩湖ツアー1人100ボリだったよね?
このすんばらしい高級ホテル2食付き2人で765ボリ(1ドル=7ボリ)だったよね?
どう考えても、高い。
いやゴージャスモードの僕ら的に払えない額じゃないけど、
なんか「ほかに手は無いでしょ?」みたいな空気を勝手に感じありえねー!と拒絶。
いや違うな、僕はめんどくさいから「ま、しゃーないか」みたいに振り返ったら
美和が「ヒッチしよう!」と やる気満々だったんだった。

とにかく。かくしてヒッチハイク狙いの東洋人2人が
世界最大の塩湖の淵で親指を立てる事になったのでした。
あー懐かしいアフリカ。

1時間経過。

通った車はツアー車3台。
みんな止まってはくれるのだが
それはそれはクールにNOを突きつけてくる。
(驚いたのは客がOKしてもドライバーのガイドさんがNGな事)

なんとなく嫌な予感がした僕らは、
昨日のツアーで行きに通った近隣の村まで歩くことにした。
ちょっと先に見えるし、そこまでかからないだろう、と。

さらに1時間経過。
遠くに見える集落の大きさはいっこうに変わらない。

さらに少し歩く。
遠い。
暑い。
荷物重い。

ホテルも集落と同じくらい小さく見えるようになった。
てことは、、、、あと更に1時間??

さらに1時間後、確かに、集落についた。
ハンパない汗と折れそうな心とともに。

絶対公共交通機関があるはずだ。
近隣のおばちゃん達に聞くと、そこ曲がって先に行けと言う。言ったと思う。
とにかく歩いてみると、あった。
バス停らしきところについた。

兄ちゃんに聞くと彼もウユニの街に行くというし、
価格はいくらか?と聞くと1人5ボリビアーノだと。
2人で10ボリ!
やったぜ20分の1だぜこの野郎!と心の中でガッツポーズ。
日本から来たロッケンローラーはお菓子をみんなに振る舞い温和な空気が流れる。

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30分ほど待った時だったろうか。
1台のランクルが近くを通りかかると、
待ち人の誰かがドライバーに何か話しかけた。
ドライバーがうんと頷いたようにも見えた。

次の瞬間。

全員がバッ!っと立ち上がり車に向かって駆け出し、
競ってドアを開けだした!!
そして競り勝った4人は車内に席をキープ、
残りはとぼとぼまた待合い席に戻ってく。
間もなく定員いっぱいになった車はブーンと目の前を過ぎ去っていき、
待ち合いの空間にはまた静寂が訪れた。

そう、そういう事だ。

バスなんて便利なものは無く、
ここヒッチのための乗り場だったという事。
勿論だれが最初にいたとかは無い。
以来、車を見つけてはみんなが群がり、
強者がウユニ行きチケットを手にするという弱肉強食のレースが繰り広げられる。

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1時間後、戦いに敗れ続けた僕らは、
ついさっき来たオバチャンとの頂上決戦の場に立っていた。

赤コーナー。
スペイン語を話さないヒゲとボリパーな異様な東洋カップルwithムーチョ荷物。
ことごとく拒否された後、ついに「20ボリビアーノ!」
と現地民の倍の価格を叫ぶという大人げも品も無い作戦に、さきほどから変更している。

青コーナー。オバチャン。
過去何人のオバチャンが、前から並んでいる兄ちゃんおっさん達を
出し抜く所を目撃してきているだろうか。
とにかく太っていようが動きが素早く、体の入れが強い、
そして何より周囲を気にせず躊躇無く動く行動力。
血も涙も情けも配慮も何もない、オバタリアンは国境を越える。

このとき、この最強の敵に対して、申し訳ない、
心からの憎しみを覚えていたことを告白します。

そして、10分後。
パンチ1つかする事なく王者に鮮やかに敗れた僕らは2人 、
村に立ち尽くした。

時間は5時。日が暮れるまであと少しだ。

どうする、ボリパー。

(続く)

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ってことはなく、
数十分後とおりがかった新車の4×4をついにヒッチ成功、
ステキ夫婦fromラパスにジェントルに送り届けて頂きました。
(お金?いらないよ。と笑顔で。これにてひげボ、へっとへとに疲れたけど完全勝利)

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まとめ

えーどうまとめようか迷うところではありますが、
ホテルはほんっと素敵だったので、このプラン、お勧めできます。
名づけて「大人ウユニ」。
もちろん帰りは素直にゴージャス突き通し
タクシー利用を選択するのが大人なのは言うまでもなく。

なお、このお勧めを無視しつつ
オバチャン達に僕らのリベンジをしてくれる人がいたら、
心からのハグをお届けしたいと思います。ホントです。

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追記:
ただしツアーで塩のホテルもやっぱ良さそう。
塩湖ど真ん中なので好きなときにフラっと外に出て朝焼けや星空を楽しめる。