僕らにとってチリとは不思議なところで、
どんな見所があるかほとんど知らないけど、
「なんか気になる」のと「あの細長いのを縦断したい」から、
アテも無くとりあえず来てみた、そんな国。
フタを開けたらサンチャゴ滞在中に震災が起きたり、
そもそも裕福な先進国で「南米っぽい」雰囲気はほとんど無かったり、
パタゴニアや湖畔の村のファームステイなど貴重な経験ができたり、
計1ヶ月半、なんだかんだ面白い旅ができた気がしている。
そんなチリで最後に訪れたのは、
チリ随一の観光都市、プコンという町だった。
マルセロさん宅のテムコのすぐ隣なのでとフラリと来てみたのだが、
アクティビティ満喫の楽しい1週間となった。
町は完全に観光化されていて、ウッド調に統一されたホテルやレストランが立ち並び、
先にはVolcan Villarrica(ビジャリカ火山)がそれはそれはキレイに見える。
どうやらこの街の観光の目玉はこのビジャリカ火山の登山らしい。
アクティビティに興味の無い美和も珍しく行きたいのことで(オソルノ山が良かったらしい)
宿のメンバーと一緒に行くことにしたのだが、
天候、特に山での風、状況が合うまで4日ほど待つことになった。
僕がパタゴニアで出会った旅人たちが偶然同じ宿に泊まっていた。
というか「お前がサバイバルシートをかぶって笑顔で山を駆け下りていたヤツか!」
と出会ってない数名も僕を知っていた。これはおいしいのか恥さらしなのか。。。
これね。
彼らの旅のスタイルは一言で言うなら、イケイケ。
毎晩遅くまで飲んだくれて(写真は洋風チンチロリンのようなゲームで金かけてる)、
カジノとか普通に行っちゃう感じ。楽しむ事に貪欲だよね。楽しい日々だった。
*
その間のヒマつぶしに、プコンにある様々なアクティビティの中で
僕らが選んだのは、温泉。
バスで1時間で行ける範囲に数十の天然温泉があるのだ。
山奥に入っていくと川沿いに露天風呂が連なるちょっとした温泉パークがある。
嬉々としてつくった弁当を食らい(海苔の佃煮おにぎり&卵焼き&鶏の唐揚という最強セット)、
浸ったお湯はクリスタルブルーで超キレイじゃん!と感じつつ、
でも風情はやはり日本の方が別格だな、などとジコマンに浸る。
なんたって水着着用。混浴だからしょうがないけど雰囲気出ない。(anyway nice butt!)
ちなみに日本について一番興味を持たれる1つは、風呂に他人と一緒に裸で入ること。
施設(ってもほったて小屋1つだけど)にビールもコーヒー牛乳も売ってないのも残念だし、
そもそもみんな熱いお湯に入れないし(いくつか温度の違う風呂があるのだが
一番熱い一番最高のところには人がいなかった)
温泉とはなんたるやを講義したくなった、つうかちょっとした。
あとは、僕は料理で、美和は編み物ね。
掃除の行き届いたキレイで広くて気持ちよいキッチンで毎日自炊。
岩海苔パスタ、美和に教わったエンパナーダ、なんちゃってカポナータ、他。
美和は町のかわいい毛糸屋を見つけレッスンを直談判、
よく分からないがあらゆるテクニックの凝縮した靴下を学んだとか。
*
さてそしていよいよビヤリカ登山。
町中のツアー会社が今日を待っていただけの晴天と、大量の登山者たち。
日の出ごろに集合し2847メートルの頂上を1日で目指す。
伝わるだろうかこの傾斜。お遊びだけではない結構なキツさ。
地面は最初は雪だが(氷河でできた山とのことで中はブルー!)
標高が上がるにつれバリバリの氷に変化していく。
ここらからブーツにスパイクをはめる。アガるよねこういうの~。
とにかく登ったぜよ。
途中1人、2人と女性陣が脱落していく。
美和もギブアップ寸前まで達していた様子。
もう雲より高いぜよ。
登頂したぜよ。
夜ぉが明けたぜよぉおおー!(最近JIN見れるサイト見つけ激ハマり中)
なんかウソ見たいな景色。右端は噴火口ね。
結構つらかったので、もうこういう感じだよね。
さて降り。
氷なので激スベるため、のぼりよりずっとキツくて怖かった。
ガイドいわくスベったらピッケル(杖)で地面を突き刺して止めないと
落ち続けてアスタ・ラ・ビスタ・ベイビ(おしまい)と説明あり。
って、おい。。。 実際まじスベるし危険度は高い。
そういうの軽く初心者にやらせちゃう感じは日本には絶対無い感覚だとしみじみ思う。
途中、専用の尻カバーを着用して滑り降りるポイントも。
超楽しい。てか一同大フィーバー。
そんなこんなで、夕方には無事に帰還することができた。
人生初の雪山登山だったが本当に本当に素晴らしかった。
*
てなことでピュアに楽しみ続けたプコン、
を終えてチリにおさらばし、アルゼンチンを目指した。
楽しみと新たな経験と学びと出会いと、、、
最高の滞在となったチリ。
ありがとう!またいつか!!!