ぽんっぽんっ。

陸路の国境越えはいつも少し緊張する。
だけど拍子抜けするほどほのぼのムードでスタンプは押され、
バスはアルゼンチンを出た。
続いての入国審査はさらに楽ちん。
バスに係員が乗ってきてパスポートを集め5分ほどで返してくれた。
ブエノスを出発して約15時間、パラグアイに入国した。数えてみたら20カ国目。

バスはその後2時間でシウダーデルエステに到着。
そこから添乗員のお兄さんにお願いして、
そのまま私たちが目指していた「国道を41キロ行った地点」まで乗せていってもらった。

ここでした。41キロ地点。
しーん。ぴよぴよ。
赤い土。
田舎。
なんだか、なんだか懐かしいぞ。なんだ?


スーパーへ行くと、ビニールに日本語が!


ここは、かつて日本人入植者が作った街。「イグアズ日本人居住区」。
現在はパラグアイ人はもちろんドイツ人やオランダ人も住んでいるらしいけど、
地図を見ると、日本語名の料理店、居酒屋などがあり、なんとも不思議な気持ちになった。


雰囲気は南米というより、アフリカのような、バリ島のウブドのような、
それでいて日本の田舎のような、「ここはどこだろう」と一瞬よく分からなくなるのだ。

ここへ来た目的はただ1つだった。
「“ペンション園田”に泊まってみたい」。

ボリビアで出会った日本人の女の子が、南米中をずっと旅してきて、
どこが一番良かった?との質問に「ペンソノでの2週間」と答えたからだった。

今まで、食わず嫌いというべきか、日本人宿にはほとんど泊まって来なかった私たち。
でも、彼女の南米最高の思い出の場をぜひ見学しようじゃないのっていうのと、
日本人宿には情報が集まっているから、ブラジルのビザを取るのも楽にいくんじゃないかって
目論みもあって、やってきたのだった。

 


南米に入って、女子1人旅の旅人に多く会い、
「ひえー、すっげーなー」と思ってきたのだけど、彼女たちの話を聞いて、ちょっと見えてきた。
私たちが見てこなかった、もう1つの日本人旅人の世界が。

南米各国の主要観光都市には日本人宿もしくは日本人御用達宿があって、
そこにはたいてい日本語で書かれた情報ノートや「地球の歩き方」が置いてある。
旅人たちはそこで情報を入手することも、次の目的地が一緒の旅仲間を見つけることも、
日本食を作ったり本棚のマンガを読んだり日本語で存分に話すことでリラックスすることもできる。
そして、情報ノートを参考に観光をし、次の日本人宿へ。すごろくゲームのようだ。

このようなインフラがあるおかげで、たとえ初めてでも語学が苦手でも一人でも
南米の旅を思い切り楽しむことができる若者がたくさんいるのだなと思った。

つかの間の共同生活をしながら
その中で、一生の友達と思えるような出会いを果たす人もいるだろう。
青春と名づけたくなるような、キラキラした時間を味わう人もいるだろう。

ボリビアで出会った女の子は、きっとここで素晴らしい出会いと時間があったのだろう。
この宿に流れていた、居心地のいい雰囲気。
ひさびさの、日本の「飲み会」のムードを楽しみながら、なるほどと思った。


ちょうど、明日出て行く人が多くて、アサード(BBQ)パーティだった。
写真の男性3人は宿の人。勇輝が驚いていたのは、彼ら宿の経営陣は「現地人」だったこと。
日本人・日系人ではあるが、この地に生まれ、この地で育ってきた人。
私は早々に寝てしまったが、勇輝は彼らとともにしこたま飲んで、熱く未来を語ったとのこと。
よかったねぇ。

 

で、翌日移動することになった。
パラグアイ滞在、1日かよ!

というのも、ブラジルビザ取得は、ここパラグアイでも大変と分かり、
簡単にビザを取れるという、アルゼンチンの観光地プエルト・イグアスーに行くことにしたのだ。
そう、イグアスの滝が見られるところだ。
でも日程的に、プエルト・イグアスーは2泊で抑えたい。
2泊の中でビザ取得と滝観光をラッシュで行う。
私たちの旅ではあまりなかった予定の組み方だ。ドキドキする。


街の中心へ向かうバス。見えにくいけど、前方にTVがついてて、
爆音でミュージックビデオが流れていた。運転手はマテ茶を飲みながら。このムード、好き!


途中で乗ってきた女の子がどうしても可愛くて。
街の人々もほのぼので写真も「OKOK!」って感じ。パラグアイ、好き!


おんぼろバスと爆音と赤土。アフリカを思い出さずにおれない。
ノスタルジック。胸がぎゅっとなる。
もっとこの国に、せめて1週間は居たかった。出て行きたくなかった。
きっと、また来る!!!

 


街の中心から約1時間、国境を目指し延々歩く。
すんごいぐちゃぐちゃの街。ここは、アフリカというよりアジアを思わせた。
私は途中でギブアップし、勇輝に荷物を持ってもらう。
前にかすかに見えるのが出国ゲート。あと少しだっ!

・・・。
「世界一敷居の低いイミグレ」じゃないだろうか。
ドア開けて、パスポートだして、笑顔でポン、でバイバーイ。8秒。
近所の文房具屋のお買物スタンプかと思った。
というわけでパラグアイ、出国。


建物の前に居たミニバスに乗り込む。
ブラジルの フォズドイグアスへ。
(ここからアルゼンチンに行くには、地形上一度ブラジルを抜けなくちゃいけない)

10分ほどでフォズドイグアスに着く。そこにアルゼンチン行きのバスが待っていた。

バスはブラジル出国のイミグレを通り(私たちはバスに乗ったまま)、
アルゼンチン入国のイミグレを通り(降りてスタンプを押す)、プエルト・イグアスに着いた。
うまくいった。
まだビザを持っていない私たちは、ブラジルをしらっと通りすぎることができた。ふう。

一面にティンカーベルの下手うまな絵が描かれた、その名も
「HOSTEL ピーターパン」という、ディズニー社に見つかったらかなり怒られそうな
ホステルにチェックインしたのは夜8時。たまたま、宿の向かいがブラジル領事館だった。

翌朝8時にネット屋に行き、WEBで申請書を書きプリント。
そのまま領事館へ。証明写真と約2000円の手数料を払い、おっしゃ!
明日の朝11時にビザ完成だ。
聞いていたとおり、出国する飛行機のチケットも預金残高も提示を求められなかった。


天気がイマイチだったので、この日は町をぶらぶらしてゆっくりした。
小さくてほのぼのして、いいムードだった。

翌日。晴れた!やった!
ピカピカのビザを受け取り、荷物を宿に預けて「イグアスの滝」へ。
ブラジル行きのバスは今夜10時。 それまでに充分観光できる。
一か八か今日晴れるに賭けて、よかった。

入場料が意外に高く、一人2000円。
でも中は広大なテーマパークのようになっていて、わくわくしてきた。


園内にある列車も無料で乗り放題。


滝を見るために作られた歩道。ジャングルの川の上を10分ほど歩く。


先ほどの列車も、この歩道も、バリアフリーの安心設計。
ツーリスティック、と言うのかもしれないけど、素晴らしいと思う。
より多くの人が楽しめるように、よく考えられ作られた公園だった。
お歳よりも、家族連れも、小さな子供もたくさんいた。いいなぁ、こういうの。
楽しみにして来たんだね。今日晴れてよかったね。
人々の笑顔を見て、ほくほく嬉しくなる。旅はみんなのものだ。


あ、なんだろ。煙?え?水しぶき?もしかして・・・


うへえーっ!


キターーーーー!滝、キターーーー!!!


ごごごごごごごーーーーーーーーーーー


どどどどどーーーーーーーーん


じゃじゃじゃーーーーーーーーー


正直、怖かった。すごかった。
ぜんぜん写真の画面に収まらない迫力。

 


パークの敷地は広大。先ほどの、滝の上から見られるスポットもあれば、
ジャングルの中を歩いて滝を下から見たり、↑こういう支流の小さな滝を見ることもできる。
(人気なかったけど日本だったら「双子の滝」とかいって充分観光名所になりそうな)

ボートに乗って滝つぼギリギリまで行くツアー(別料金)もある。


ジャングルコースを歩いていると、あらま、こんな可愛い動物(アナグマ?)にも遭遇。


と思ったら、わらわら出てきた。ぎゃーー

 


昨日も来たからと、おすすめスポットへ案内してくれたアメリカ人新婚夫婦、
ローズとカーチス、ありがとう!!
(この道からの眺めは本当に素敵だったよー)


ちなみに、こんなスポットもあります。
(黄色いカッパが勇輝)
お越しの際はお気をつけください。

 

と、いうわけで、大満足で滝をあとにし、
荷物を取って、バスでフォズドイグアスへ。
今度はちゃんとビザを見せて入国。誇らしい。

が、今回はバスは私たちの手続きが終わるのを待っててくれなかった。
外国人は時間がかかると踏んだのだろうか。あと1分待ってくれれば!

40分ほど次のバスを待つ。


日本人にとって南米で唯一ビザが必要なブラジルについて話す。
でもさあ。勇輝が言う。
ブラジルもさ、入国する人間を管理したいのはいいけど、

こういう「例外」があるのが解せないよな。
プエルトイグアスーだけ審査が簡単な(チケットと残高を見せなくていい)ことについて
恩恵に預かっておきながらスッキリしないようだ。
そうねえ。観光客を呼ぶため?なんか裏が・・・?

しかし滝で会ったローズとカーチスは、
同じプエルトイグアスーであってもビザ発行手続きが厳しかったという。
(発行に数日、料金1万円近く、出国チケットと残高証明も提出しなくてはいけなかったと)
アメリカ人だから。

つくづく思うのだけど、日本人は、もしかしたら世界で一番、
世界中に行きやすい国民じゃないかと思う。
私たちの想像以上に、世界中の国を自由に出入りできる国民は少ない。
大好きになったイランなんて、先進諸国であっても
「絶対に」入国できない国民がいっぱいいる。政治的問題で。
日本の行ってきた友好路線(批判もあるが)外交の、
少なくとも旅行という点においては素晴らしいことだなと思う。

 


そんなこんなで、なかなかハードな移動をし、畑を越えて、


NYを抜けて、


大きな橋を渡って、


子供にひげを指差され笑われながら、ついた。

ブラジル南の都市、フロリアノーポリス IN サンタカトリーナ島。
通称フロリパ。

待っててくれたのは、マチュピチュトレッキング仲間、
ディエゴとエリーザ。
さすがファッションチェック第一位。相変わらず格好いいぜ!

さて、はじまります。
私たちのブラジル。

なんだかとっても、わくわくします!
(MIWA)