6日目。

朝一でけんごを見送った後、
みんなを置いて僕ら夫婦はカイラシュの村を訪れていた。

フェスの調整、ではなく、日本の皆さんから預かっていた古着を
村の子ども達に配るためだ。
ブログの呼びかけに、ありがたいことに1人では持ちきれない程の
古着が集まりました。ありがとうございます、本当に。

広場で服を広げて列でも作ってもらうのかと思ったら、
壁に囲まれた小さな家の中庭に連れて行かれる。
「みんなの見える所でやると殺到して危ないから」
との理由に最初は驚いたが、そういうことなんだろう。

多くの子どもが文字通り全裸で歩いているこの村では、
教育を受けていない人も多く、列をつくるとか
オーガナイズされることには慣れていないのだ。

カイラシュと、彼側近である医師のジャナルダンが、1人1人を招き入れ服を選んで渡すと、
みな恥ずかしそうに小さなお辞儀をして出て行く。
嬉しそうな恥ずかしそうな顔で受け取る姿が愛らしい。

 

 

最後まで服を配りおえ、思ったより盛り上がらなかったなあと外に出ると、
大フィーバーが待っていた。みなもらったばかりの服を身にまとい、
見せあったり走り回ったりしながら、とにかく嬉しそうだ。
壁の中でひっそりもらっていた様とのコントラストが妙にいとおしく感じられた。
(後で、年長者カイラシュとジャナルダンの前だから
敬意を払って慎ましくしていたのだと気づく。素敵だなあ)

古着をご提供してくれた皆さん、写真で伝わるでしょうか、
皆さんの服は彼ら彼女らにわたりました。ありがとうございます。

 

 
(男の子なのに可愛い服になっちゃったね。でもすごく嬉しそうだった  ↑)

 

その後、これまたご提供頂いた盛り上がりテッパンの大縄跳びをして、

 

美和はソーイングセンターへ。
ウメ・スミのサポートとして美和は、フェスティバルで売る商品に得意のきんちゃく袋を提案し、
外国人にウケそうな布を買い、届け、縫い方を教えていたのだった。

想像以上の出来栄えに喜びつつ、細かい部分を指導していた。

 

ちなみに
最初に一緒にいたCJ、彼が援助した井戸も、この日完成していた。

 

大急ぎでRISE-UPへ向かう。
今日はタクとキョウが授業をする日だ。
「日本人の服装」という、渋すぎるテーマを選んだタクは、
浴衣にニンジャ服、ファッション誌、日本に住むインド人からのメッセージビデオなど
面白い小ネタをしこみつつ、箸の使い方まで指導するという
なかなか派手な授業で教室を湧かせた。

 

一方、「言葉を使わないコミュニケーション」というまたもや独自ワールドを
見せつけるお題で望んだキョウは、日本の写真を見せたり、
ボールを使ったり、「とにかく一緒に遊ぶ」授業を敢行した。

 

授業ひとつとっても個性が出て興味深いのだが、
何より嬉しいのは、子ども達はどんな授業でも変わらず、猛烈に楽しんでくれることだ。
プラモドがいつぞや言っていた言葉が深く胸に入ってくる。
「ただ、そこにいてくれればいい」。
一緒に時間を過ごしてくれる事が、子ども達への一番のプレゼントなのだと。

 

授業の後は、午前中にウメスミが仕上げてくれたチラシの、
ブッダガヤ中へのバラまき作戦を実行する。

道ばたで外国人観光客を見かければナンパをし、
レストラン、ホテル、雑貨屋やネット屋など
観光客が行きそうな店に片っ端から貼らせてもらうようお願いする。
医師のジャナルダンもバイクで町を駆け回り手伝ってくれた。
しかしモヒカンひげ面の国籍不明東洋人の、突然のお願いにも関わらず、
半分以上の店が快く受け入れてくれたのは嬉しかった。
なんだかんだ、インド人は度量が広いと思う。

 

正直かなりキツいタスクだったが、
とにかく客が来なかったら何の意味も無い。
と力を振り絞っていると、途中から何軒もすでにチラシが貼ってある店を発見。

そう、タクとキョウも別に動いていて貼りまくっていたのだ。
ヘトヘトだったのでこれには結構感動した。
後で聞きいたら、なんと世界遺産マハボディ・テンプルの門にも受付にも
何枚も貼ったのだと言う。
気づけば小さな町ブッダガヤ中の店という店に
我らのチラシが貼られることとなった。

タクが「キョウさんといると自分のパワーのなさを痛感させられる」
と言っていたけれど、チラシ貼りにはキョウの底力がガンガンに発揮されていたそうで。
「あー、ここ、貼るね?いいよね?うん、いいよね?」
なんて言いながら突っ走ったんだろうなあと
その姿が目に浮かんでほくそ笑んだ。

 

夜は、昨年訪問時に驚きをくれたアジャイさんを再訪問し、


がっつり呑み&ご馳走を頂き、
疲れた身体を癒すことなく突っ走り続けて6日目を終了した。

 

はぁ、はぁ、
決戦まで、あと2日。

(続く)