ソーシャルトラベルinジャパン四国編、
はじまりの地は、香川県は小豆島。

案内人となってくれたのは、ポン真鍋こと真鍋邦大氏。
外資系金融機関でバリバリ資本主義ド真ん中を突っ走って来た彼が
地元である香川県に戻って来たのはまだ昨年。
ポン菓子の製造販売に始まり、島を盛り上げる多くの活動をしている。

彼のサイトの「地元への想い」を読んでアツくなった。

「島は地元香川の象徴であると同時に社会問題の縮図です。課題先進国と言われる日本の中でも先頭を走っているわけです。欧米のテキストを読んでも、北欧の社会制度を羨んでも、ましてや古き良き日本を懐かしんでも答えなんてありません。だからこそ、自分自身フロントランナーとして社会問題の解決に真正面からぶつかりたいのです。
 正直申し上げて、お恥ずかしながら確固たるビジネスモデルなんてありません。あるのは、想いと志しだけです。

毎日どこかしらに飛び回り、新しい事業やプロジェクトを開始したり、
本当に凄まじい勢いで動いてる。
僕と同じ78年生まれ。
覚悟決めて突っ走っている彼との出会いは大きな刺激になった。

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(フェリー到着にあわせ車で迎えに来てくれたポン氏、の図)

 

彼が見せてくれた小豆島。
それは、手しごと現場の数々だった。

古くから一次・二次産業の島として栄えた小豆島は、
オリーブやみかんなどの一次産品、
醤油、佃煮、素麺、ごま油などの二次産品の生産が盛んだ。

「島は牛みたいな形をしているでしょ。前足の付け根のあたりが一次産業、
これから行く後ろ足のあたりが二次産業のエリアなんだよね」
車内で小粋な案内を聞きながらひたすら作り手の元を訪れた。

ここからは写真でGOします。

 

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いざ香川空港へ。空からも島を見つけることができた。これは後ろ足だね。

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到着早々、素麺をつくっている真砂さんを訪ねた。
確かひいじいちゃんの代からの4代目。
機械化が進む中で手づくりにこだわったその製法を説明してもらう。

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小麦粉の塊がねじられ延ばされ延ばされ延ばされ、、、
こうやって素麺ってできるんかーい!しかも延ばすだけであんな細い麺を!
という驚きもそうだが、一番印象に残ったのは実はこれ。
iPadで見せてくれた、創業時の写真。
先祖から引き継がれて来た技。技を守り、伝える一人の男の姿がそこにあった。

 

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続いてお邪魔したのは、佃煮をつくっている小豆島食品(シマショク)さん。
机の上に並んでいたのは佃煮!佃煮!佃煮!!

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ホカ弁で買い込んだ白米を片手にひたすら試食をさせて頂く。極上。。。

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うめえうめえ言いながら、大将のこだわりに耳を傾ける。
これ以上の贅沢はありますでしょうか。

 

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そして、醤油。
島を代表する老舗のヤマロクさんを訪問。

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今や稀少となったと言う木桶仕込みの醤油づくり。
大手メーカの何倍もの仕込み時間をかけながら丁寧に「本物の醤油」をつくる。
日本の食文化を守りたいとお話頂きました。

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五代目の康夫さん(右)、決まってまっせ!
ちなみにここではなんと、絞り立ての醤油をまさにその場で
舐めさせてもらいました。醤油なのにフレッシュ!ってホントあるのかとびびった。
その場でポン酢含めて6本ほどお買い上げ。。。

 

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まだまだ続きます。日本初!となる有機オリーブ栽培に成功した山田さん。
元々はベネッセで隣の直島の開発の立ち上げにも関わってらした方。

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オリーブの有機栽培が今までできなかったのは
オリーブアナアキゾウムシという害虫のせいだとのこと。
生態を調査分析し、毎日自身の目で虫取りを続けることで念願の有機栽培成功。
毎日虫を手で取ってるって旅行とか行けないじゃないすか?と聞くと
「これがやりたくて会社辞めたからね」と何事も無いように返ってきた。
日本初とか、生半可じゃないよねやっぱ。カッコよかったっす。

 

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最後は、塩づくりの現場へ。波花堂の蒲さん。

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こんな装置をつかって海水の濃度を高め、

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竃でひたすら煮詰める。火は365日絶やさないらしい。
蒲さんの、柔らかいんだけどピリっとした、武士のような雰囲気が忘れられない。

 

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おまけは夜。素麺づくりの真砂さんと一緒に素麺を食べると言う超贅沢企画が。
持って来て頂いたのは、乾燥前の半生の太麺。
フワフワでもちもちのあの食感。。。嗚呼。。。

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作り手の顔が思い浮かぶ食材をいただく。しかも、その本人と共に。
これ以上の幸せはあるだろうか。。。

 

手しごとの島、小豆島。

それぞれの生産現場で感じたのは、
文化、伝統、技、作り手の想いやこだわりといった、
お金や効率では絶対にはかれない価値の存在だった。

もう一つは、生き様。
機械化や効率化が当たり前の昨今、手づくりや有機栽培、
伝統技法にこだわるというのは、当然なにかしらの代償を払っているはずだ。
それでも今のやり方を貫いているのは、
それぞれに守りたい価値があるということなのだろうか。
その生き様から、なんだか自身の生き様を問われているような気がした。

こうした価値の全てを自身のものにすることはできないけれど、
例えばその人を思い浮かべながら感謝して食事を頂くってことはできる。
食べるという行為の中で、その価値を日々感じていく。
丁寧に生きるって、そういうことなんだろうな。

 

ということで、ソーシャルトラベルin四国の濃厚極まりない初日が終了。
各作り手の皆さんへのリスペクトとポン真鍋への感謝を胸に、
徳島は神山町へと小豆島を後にした。