姉さん、事件です。
こ、これは、どういうことでしょうか。
ここはテヘラン空港です。
会津のもろこし畑じゃありません。
自分の意思ではありません。
このホッカムリ。
日本の主婦のプライドはどこいったんでしょうか。
↑ 翌日。
この人誰でしょうか。私は知らないです。
いえ、ご紹介も結構です。
あれ?
テヘランって秋か冬だっけ?
35度くらいあると感じるのは私だけ?
ワキ汗がキャンストップなのは私の体質?
ああ・・・、
と
デリーのジャマー・マスジドで味わった屈辱を思い出します。
そーゆーこと・・・ か・・・
衝撃の事実第一弾。
旅行者も含め、女性は全員、髪を見せないようにスカーフを被らなければならない。
身体の線が見えないように、膝丈ぐらいの長さで長袖のコートを着なければならない。
民族衣装のチャドル(頭からすっぽり被る感じのコート)を着ればなお良し。
と法律で定められている。
辛い。
でもこれは、まあ、許す。
ところが・・・
おやどうした勇輝さん?
え?お金がどうしたって?
2週間のアライバルビザが100ユーロもしたから?
このイマイチなピザが700円もしたから?
ホテルが質のわりに高くて、歩き回って探して結局
1泊3500円も払うことになったから?
え?違う?
ホテルのフロントでクレジットカード使えるか聞いたら
恐ろしいことをキッパリ言われた?
衝撃の事実第二段。
海外のカードではATM使用不可。
国じゅう一切、クレジットカード使用不可。
はうっーーーーーーーーーー
!!!!!!!
到着して、街中に銀行もATMマシンあるじゃんと思っていた。
ハッとして近所のATMを全部見たけどプラスマークもなんにもついてない・・・
イランに口座を持っている人用のATMなのだ。
お金が・・・
ATMからおろせない・・・
まさかね、と思ってすべての5つ星ホテルに電話してみた。
海外対応のATMもないしクレジットカードの支払いもすべてダメだった・・・
そんなことあっていいの?
いや、これが現実だ。この国の。
本当に、クレジットカードを使える場所が、
1つもない・・・・
そんなこととはツユ知らず
いつものように当面の数日間分しか現金を持って来なかった私たち。
なんとかなると思って普通に使っていた私たち。
現金がもうすぐ・・・
な・く・な・る・・・
旅はやっぱ情報収集が命だねって
キム氏を見て改心したばかりじゃないか。
海外なんだもの、まさかにちゃんと備えなくちゃダメじゃないか。
私なんて勇輝に任せっきりで、グーグルで「イラン」のイの字も入力しなかった。
バカかっ!
いや、本当のところ、勇輝はいろいろネットを見ていたし、
「お金が下ろしにくそうだ」ともそういえばつぶやいていた。
問題は、「あまり気にしていなかった」こと。
分厚いロンプラを抱えて旅したインドでも、そういう事前情報はあまりアテにならず
実際はいろんな抜け道があったり、行ってみたらなんとでもなった、
って経験の連続だったからだ。
旅慣れた気になってたかもしれない。事前情報より現地でまず感じてみることのほうが
大事!とかちょっと思ってたかもしれない。
出発3日前にアブダビのイラン大使館に電話して空港でビザ取れると聞き、
2日前にネット見てたら比較的いいチケットが取れて、じゃ行ってきまーす!と
簡単な荷物をまとめてデイルの家を出た私たち。非常ーにEASYに。
フワフワ緩んだ顔して、甘く見ていたのだ。
国境をまたぐことを。イランという国を。
反省しようが後悔しようが、UAEの空港にあったATMマシンには戻れない。
どうする、どうなる、俺達。
ひげとボイン、ここでまさかの帰国っ???!!!
ダメだ、嫌だ、無念すぎる。いや、かっこ悪すぎる。
いや、大丈夫だ。何とかなる。
ナントカナル・・・・ナントカ・・・
ドキドキ・・・・
※追記 ↓ ↓ ↓ちょっと言葉足らずなとこがあったので補足します!!
昨日の晩、ホテルの部屋ですべてのお金を並べてみる。
勇輝は靴の中敷をひっぺがし、バリでカズマから「もし何かあったら」ともらったドル紙幣を、
私はジュンナに成田でもらったお守り袋の中に入っていたお金を、
「すまん!ありがとう!」と叫びながら取り出す。
ドルとUAEでおろしたディルハムあわせて、
残金約3万5000円。まだこれだけはあります。
UAE戻りの飛行機が17日。
あと10日、どうするか。です。
今いるテヘランから、バスか電車(2人で片道1000円くらい)で
エスファハーンに行くのが一番の目的だった。
水タバコも吸いたいし、買い物もしたいと当初は思っていた、が、これはどうでもよい。
(私の紺のコートとズボンはなんと優しいイラン人にもらった!)
安宿と、果物と水と、人の温情と、運でここをなんとか乗り越えるのか。
ギリっギリのお金でも旅は楽しめるはずなのだから。(若さがあればの話?)
でもイザとなれば、道で持ち物を売ってみてもよし、新品アイパッドを闇に流してもよし。
もっとイザとなったら、飛行機の予約を早めて
UAEに逃げ帰ればよし。のはずです。
攻めと守りのバランスをどう取るのか・・・・・。。。
ちなみに大使館の人とも直接電話で話したが、「残念ですが・・方法はありません」とのこと。
ふむう・・・
でも大丈夫です。きっとなんとでもなるのです。
さらにPS。
私にとって一番のポイントは、こんな局面で
ポジティブに心の鮮度を保てるか否か、です。
ただでさえ暑くて煩わしい理不尽な服装をしなくてはいけない中、
腐らずに、勇輝のように前だけを向いて楽しめるか、ってとこです。
「どうしてあの時」とか考えずに、勇敢かつ朗らかに笑っていきたいのです。
ファイトーー!!!
(MIWA)