このブログでも何度か触れてきた、クンブ・メーラ。

ヒンドゥ教の祭典だがその圧倒的な参加人数、
(前回は期間中のべ7千万人だったとか)
から「地球上で最大の祭典」 と呼ばれている。
今回開催されたハリドワールを含む4つの聖地で
それぞれ12年に1度 、
つまり3年に一度何れかの聖地で開催される。

僕らが現地入りしたのは
開催期間の中でも最も重要な日と言われる
Main Royal Bath の日。
Bathとは沐浴のことで中でもこの日はサドゥ
(出家した修行僧のような人、イっちゃってます、詳細後述)
が大挙してガンガーへ行進するとのことで
後日新聞 を見たら当日だけで1700万人の
人がハリドワール一帯を訪れたらしい。

ちゅうことでその大変な日の朝8時、
やっとのことで予約した列車が駅に到着。

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まあインドの駅はどこでもスゴいことになってるけど
さすがに凄まじいことになっていた。
軽く危険も感じた。

街に出る。
いや、出ようとする、が道はバリケード封鎖され
警官の完全管理のもと行きたい方向に歩けない。
道を歩く人、道の脇に座り込む人、とにかく人、人、人。
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重い荷物を持ってただひたすら歩いている。
彼らは何者なのか。
なぜ歩き続けているのか。

クンブ・メーラはお祭りと言っても、
「(12年に1度来る)とても大切な日」に
「とても大切な場所」で
沐浴をする事だけを目的に数千万人もの人が
大挙するものだと僕は理解している。

沐浴する、それだけ。

巡礼者は全国から集まるが、
インドは広い。
エアコン寝台車を手配するような人はごくごく一部、
その長い旅路の苦労や負担たるや
相当なものである事は容易に想像できる。

祭りは観光客的にはもの珍しさが勿論あるが
彼らからしてみればまあ何も楽しいことはほぼ無い。
ただただ人がガンガーを目指し
ガンガーからまた家に帰っていくだけだ。

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教えによると「沐浴により罪が流れ功徳が増す」らしい。
でもそのためにこの炎天下延々と歩き続ける?
死にそうな思いしながら数十時間バスや列車に乗る??
そこまでして沐浴したいのか???

こんな自分の中の問いがあったが、
今回圧倒的な不条理を目の前に腑に落ちるものがあった。

「そういうもの」なんだ。

罪がどうとかそういうのもあるんだろうけれど
ここは「何故なら」の無い世界なんだということが
4ヶ月かけてインドを旅して、最後にありえない光景を見て、
妙にストンと身に入ってきた。

日本でも江戸時代、人々は苦労して、
講まで作ってお金をやりくりをして
お伊勢参りをしていたけど通ずるものがあると思う。
食事の前に「いただきます」と言う事や
お守りを捨てるのが忍びない心、
それらも「何故なら」の無い世界のものなのだろう。

「合理的で 」「正しく」あるように訓練されて生きてきたけれど、
(勿論その大切さを否定するものでは無く)
同時にそういった理由無き何かを大切にして生きて行きたい。

通りを行く巡礼者たちを眺めながら
そんなことをぼんやり考えた。

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