クスコを後にした僕らが向かったのは、
チチカカ湖沿いの商業・観光都市、プーノ。

が、ついて数時間で呼ばれてない感を感じてしまう。
「明日には近くの村にでも移動しようか」
と話しながらとりあえず湖を拝もうと船着場まで行ってみる。


この日は天気が良かった。キモチいい。

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湖を眺めていると客引きにつかまる。
藁?草?で出来た浮島とタキーレという島までの往復で25ソル750円。
いやー興味ぜんぜん無いんすけどとあしらうも執拗な売り込み。
ん待てよ、タキーレという名には聞き覚えが。
クスコでハマり出した織物の紐について独特の模様があると聞いてたところだ。

更に聞くとタキーレ島ではホームステイが1人10ソル300円でできると。
どうせヒマだしプーノにいる気は無いから行ってみる?
なんて聞くと観光に興味の無いめずらしく美和もまんざらでも ない表情。

客引きはやっぱしてみるものだと思う、
結局翌朝から1泊2日でプチトリップする事になった。
いや違う、やっぱこの日の天気のせいだ。
この空の下チチカカ湖をボートの上から見たらサイコーだなと思ったんだ。

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あけて、翌朝。
あいにく、まさに生憎の天気。


寒いし雨は降るし外には立ってられないコンディション。


船の中はツーリストとローカルで間違いなくキャパオーバーのカオス状態。
真ん中でサンポーニャ(笛みたいの)を吹いてるのは後のアミーゴ、ジャスティーノ。


楽器に対抗して僕らは得意の折り紙攻撃。
独自の技を繰り出すフランス人(左)ペルー人(右)にORIGAMIの認知度を再認するが
折鶴はやはり偉大なり、船内にどよめきを起こした、グッジョブ美和。

な感じで、ちょいカオスで楽しいかに見えた船の旅だったが、
後に地獄のような大雨&激揺れに襲われる。
泣き出す子供、嘔吐しだすご老人、おばさま、、、船内は軽くパニック。

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そして予定の3時間を大幅に上回る5時間後、タキーレ島到着。
(ウロスという浮島については説明割愛)


嘔吐寸前の小生。目の下クマ、顔色ともに最悪。大雨につきポンチョ着用の事件な表情で。

港から島の中心まで30分ほど歩き、メシを食べほっと一息。
今晩は泊まりたいと誰かに伝えたらちょっとしてホストファミリーの方がやってきた。


ヘスース38歳、なかなかの色男だけどイケメン選手権ノミネートは落選。


部屋はこちら。


ヘスースより僕らの相手をしてくれたのは息子のエドガルと妹のキンティーナ。
エドガルが織物をしてるが、この島は老若男女ほぼ全員伝統織物ができるらしい。


見づらいけどこんな感じの模様。クスコ周辺と比べて柄が細かい。
これ家で普通に家族でつくってる。スゴくね?


美和は夕飯の支度を手伝わせてもらった。


ペルー人が太っているのはこいつのせいだと思うぜな大量のジャガイモは庭で採れたもの。


献立はトルティーヤ(オムレツ?)とトゥルーチャ焼き。脇役はもちろんポテトフライとポテトスープ。


あとキンティーナのごっわごわの髪が気になったらしく、毛をとかしてアレンジしてあげる。


大いに喜んでもらったので翌日も別アレンジをしてあげる。


すんごく嬉しそうだった。別世界に住んでるような彼女でも、やっぱり女の子は女の子。


翌日島を散策する。天気がいいと半端なく気持ちがいい。


石畳の小道が続く。もちろん車は通れない、車の無い島。


いやホント、気持ちがいい。


島の中心の広場にて。絵になりすぎっすおっさん。


エスペランサ(ヘスースの奥さん)、あんたも絵になりすぎ。


関係ないけど船で笛吹いてたジャスティーノと広場で2時間ほど話し込んだ。
たまに起きるこういうビビっとくる出会いは小さなミラクル。しかもこの異空間で。最高。
旅人でありヨガ&サイコセラピーのワークショップを展開する彼を日本でプロデュースしたい。


しつこい?そろそろ終えます。

*

島民はほぼ全て伝統織物を身にまとっており
路上では多くの子供たちが土産物を売っている。
そしてチチカカ湖のスーパーブルーと島中を覆う畑の風景。
タイムスリップまでは言わないが
なんともスローな時間の流れる独特の雰囲気だった。
(どうやらユネスコの世界民俗無形文化財にも指定されているよう)

下手くそなスペイン語でなんとかヘスースに話を聞く。
島の人口は2,400人ほどで上昇傾向にあるとのこと。
若者はプーノやクスコへ出稼ぎに行くけれどまた島に帰ってくるからだと。

驚いたのは島に犬がいないことと(今まで見たペルーは野良犬だらけだった)
警察もいないという話。
何かもめ事があったらコミュニティのリーダー?裁判官?(聞き取り不可)
による寄り合い形式で解決していくそうだ。

隔離された環境で独自文化および空間を守り続けるこの島。
勿論、写真を撮るよう要求しお金を要求する子供たちなど
げんなりする場面も多かったけれど、
少し話をすれば素朴で優しい一面を垣間見ることができる。
伝統や文化、それに人の心は多少の観光化では変わらない、
独特の雰囲気にとても良い気持ちにさせてもらった。

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すばらしい2日間に感謝。
この島が10年後50年後も変わらない空間を保っている事を願っています。