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随分と更新が滞ってしまいましたが、
2年かけて地球一周し、疲労困憊のなか恋焦がれるニッポンを通り過ぎ、
最後にも1度インドに来ている、という所まで書きました。

ソーシャル合宿 FEEL INDIA! と題してブログで参加を呼びかけ、
5人の新たな仲間とともにインド・ブッダガヤに来て2日目の夜、からです。

宜しければ①「始動」と②「それぞれの思い」
先に読んで頂けると幸いです。

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そして宴も後半。
現地視察を終えた各チームに施策案を発表してもらう。

まずは、カイラシュの元へ行ったチームA。
ウメ・スミの女子2人とサラリーマン・ケンゴだ。
アイディアオーナーのウメが口にしたのは、思いもよらない内容だった。

 

「村人主催のフェスティバルを開きたい」

 

現地を見て、村の人たち子供たちと触れ合った中で、
ピンとくるものがあったと言う。

「 村にいたら、突然音楽がかかったんです。そしたら皆がざわざわしてきて、
ケンゴさんが腰を振って踊ったら爆笑が起きて超盛り上がって。
あと、子供たちの中にはヘナアート(ヘナという植物の染料を使い肌にデコレーションをするもの)
をできる子がいて手に描いてくれたんです。ヒンズー語を教えてくれた子もいたし、
似顔絵も描いてくれた子もいて、お礼を言ったらすごく嬉しそうでした。
だから、それぞれをショップに見立てて、観光客を呼んでお祭りをやったら盛り上がると思ったんです」


(ウメ達が撮って来た写真。右がヘナアート。本物の染料じゃなくペンで)

 

カイラシュの村には僕らは何度も行ったことはあるけれど、
こんなことは全く考えたことも無かった。。。

一堂うおおおおと盛り上がるが、
同時に若き大学生の提案に「ホントにできんのぉ?」
という空気があったのは否めない。

「ただ何かを与えるだけでなく、長い目で意味のあること、
と考えたときに、自分達で稼ぐということを経験してもらえると思いました。
でも子どもだし、ダミーのお金を用意して、それを使おうと思うんです。
お金の単位は、インドのルピーとハッピーをかけて、ハピー。
ってとこまで妄想しました笑。」

これには舌を巻いた。本質的なポイントをおさえつつ、
想像力豊かに細部も考えている。
正直実現性については疑問符がついたままだが、素晴らしいアイディアだった。

さらに自称ITイケリーマンのケンゴが続ける。

「聞くとあの村には年に数えるほどしか観光客は来ないらしい。
今回やって多くの観光客が来ればそれは素晴らしいことだし、
こうした村人によるフェスティバルが定期的に行われて、
いつか『地球の歩き方』に載るようなものに発展すれば最高だよね。
どうせやるならそのイメージでチャレンジしたい。」

てめえ言ったなこの野郎というくらいニクいビジョンを語りやがった。
おーし面白いじゃねえか!やれるもんならやってみろい!
と何故かべらんめい調になりGOを出し、
翌日からAチームはフェス実施へ向けた調査や調整に入ることになった。


(この村でフェスティバル?さあてできるのか・・・?)

 

そして、Bチーム。

海外経験豊富なタクとキョウの男子2人。
色々な面で未知数のラジェッシュら若者の元へ送り込まれた彼らは、
複数の村の様子を見てきた上で、いくつかの案を披露してくれた。

「今日見てきたある村では、多くの村人が病気に苦しんでいた。
ある家で料理に使っていると言って見せてもらった壷の水は、
ぼうふらが浮いていて、すごく汚かった。
これで手も食器も洗うしスパイスを溶かすのにも使うと聞いて、
信じられなかった。いやまじ、ありえないっす。
健康の基本である衛生面改善のために井戸を作ってあげたいと思った。」

「そこは医師がいない村で、何かあった際に患者を運ぶ手段が無いという問題を聞いた。
村にリキシャー(後ろに人を乗せられるタイプの3輪車チャリ)を買ってあげたら
継続的に彼らを助けられると考えた。」

「公立の学校すら無い辺境の村に、学校を作りたい。
建物は無くてよいので、青空教室でできないかなと。
週に1回でも、ラジェッシュでも誰でも、
できる人が教えるだけでも意味があると思った。」

タクが説明する。なるほど課題に対してストレートな対応策。
ただ学校をつくるというのはなかなか大胆なアイディアだ。


(タク・キョウが見てきた辺境の村)
するとキョウが凄い事を言い出した。

「彼らは貧しいながらもなんとか生きているようだが、
より豊かで幸せな人生を歩んでもらうには何かと考えた。
物質的ではない何かを提供してあげたい。
僕はマッサージを勉強して来たので、マッサージを教えてあげたい。
あとは夜間学校のような形でビジネスの基本を学ぶ場所もいい。」

「あとはパンフレットのようなものをつくって、
衛生面、医学、とくに東洋医学ですね、を教えてあげたい。
ソーシャルワーカーがいるんだったら、
まず彼らに使ってもらうイメージです。」

既にコテコテ関西弁で場をひっぱるキャラを確立していたキョウ、
さすが言い出すこともぶっ飛んだ内容でたまらない。

 

さすがに全てを実施することはできないだろうし、
それぞれまだアイディアベースだ。
実現性の検討を進め、チームとしてどうするか相談した上で、
翌日の夜の会議で方針を決定しようという事で、本日の会議/呑みを終了した。

 

(続く)