世界一の美食の街、サンセバスチャン。日本でのメディア露出も増えてきています。いつか行ってみたいなー、でも子連れでも楽しめるかしら?と思っている方へ、おすすめの楽しみ方をめちゃ主観で挙げてみました。


1位
ラコンチャの砂浜!(playa de la concha)

サンセバスチャンを美しい街にしているのは、このラコンチャ湾だって私は思います。朝も夕暮れも、晴れも曇りも美しいこのビーチを、散歩する人、泳ぐ人、波に乗る人、砂に絵を描く人、誰もが自分なりのスタイルで楽しみます。ここに連れていったら、親はもう何もする必要なし。子供たちは好き勝手にいくらでも遊びます。タオルと着替え、あとは自分用に敷物と本でも持って行きましょう。


2位:科学博物館Eureka! Zientzia Museoa

中心街からちょっと離れた岡の上にある科学博物館。風力、磁力、水力、影や音、筋肉や骨、動物コーナーにプラネタリウム……科学と自然の世界をたくさんの仕掛けで遊びながら学べて、大人も一緒に楽めます。

私たちが気に入ったのは鏡の部屋と、空気でボールが浮かぶマシンと、空気の力で手紙を届けるマシンでした。ただ、説明書きがスペイン語とバスク語だけなので、英語の音声解説機器を借りた方が、子供にちゃんと説明できていいかも(っていうか自分が知りたくなる)。

レストランも併設で、さすがスペインお酒とピンチョスもあるのでプラネタリウムの開始を待つ間もハッピー。(ちなみにプラネタリウムは私たちが観た会はバスク語だったのでストーリーは全然分からず…でも面白かった)


3位:水族館Aquarium)

旧市街のはずれのラコンチャ湾に突き出た先端にある水族館。ラコンチャビーチから常に見えている建物です。ここ、ちょうどいい。充分楽しめて、広すぎず、なんかちょうどいい。

最初に展開されているのは、バスク人の捕鯨の歴史で、大きな骨はクジラのもの。スペイン一真面目で団結を愛するバスク人には、捕鯨はぴったりの産業だったのです。血だらけのクジラを引き上げる絵画の前で息子たちと語り合ったあとは、楽しいお魚さんタイム。

なぜだか分からないけど、ここにいる魚たちは何かを話しかけてくれてるように感じるから不思議。息子たちも自己紹介したりしていっぱい話しかけていました。


4位:教会

どこの国でもそうだと思うんだけど、日曜日はそこかしこの教会で集会をやっている。頭を垂れて、胸に手をあて、そっと見学させてもらう。

写真1枚目はサンセバスチャンじゃないんだけどデュランゴという町の教会。賛美歌の字幕が前のスクリーンに出ていた。それがバスク語じゃなくスペイン語なのは、バスク語が禁止されていた時代に育った今の50代以上の人が多いからだと思う。子供たちは建築やステンドグラスの美しさというより、その場の持つ空気感のようなものをピュアな感性で受け取る。長男は教会を出たとき「ここ(胸)がぎゅっとなって泣きたい気持ち」と言った。

2・3枚目は旧市街の中にあるサンタ マリア デル コロ教会(Basilica de Santa Maria del Coro)。今回の旅で彼らはキリスト様を初めて認識した模様。「死んだ人(キリストのこと)可哀想ね」次男も切なそうに言う。

帰国してからあるときアヴェマリアの曲が流れたら「死んだ人のうた?」と言ってびっくりした。「死んだ人のママのうただね」と答えつつ、子供の感覚って鋭いなと思わされた。


5位:公園

スペインから帰国すると、大きなターミナル駅にもショッピングモールにも「なんでキッズパークないの?!」と違和感を覚えてしまうほど、この街には至る所に遊具がある。それも、見た瞬間子供たちが「わあ!」と目を輝かせて駆け出すような、カラフルで楽しそうな遊具。

北欧のメーカーのものが多いこれら遊具、とにかく秀逸なのだ。まずいろんな仕掛けがあって、小さな子も、小学生の兄ちゃんたちも、それぞれの身体能力と興味で安全に遊べるようになっている。

次に「ごっこ遊びがしやすい」ということ。船に見立てていたり、お店屋さんのようだったり、子供たちはその場で楽しいストーリーを生み出して遊ぶ。コミュニケーションが生まれやすく、友達がつくりやすい。街の中の広場にある公園も多いから、親たちはバルでおしゃべりしながら見守ることができる。そう、親も友達がつくりやすいのだ。

現地の子供たちはここで20時くらいまで平気で遊んでて最初はびっくりした。


6位:メリーゴーランド

街の中の、エリアごとに1つあるかもしれない。メリーゴーランド。やっぱり子供たちにとっては夢のようなワンダーランド感満点だから、昼でも、夜でもやっぱり乗りたい。1人2〜3€と良心的なお値段に、気を良くしておねだりに応えていると、お財布からも気持ちよ〜くお金がなくなっていくからご注意を。


7位:お祭り

冬にサンセバスチャンに行くならば、3回のお祭りのチャンスをチェックしてほしい。12月24日はクリスマスで、サンタではなくベレー帽を被った爺さんオレンツェロ(Olentzero)がプレゼントを配る。

1月6日は三賢人の日=レジェス・マゴス(Los reyes magos)で、市のホームページをチェックして市内を巡るパレードを見に行く。夜は三賢人にワインを、彼らの乗るラクダにミルクとビスケットを置いて寝れば、靴の上にプレゼントが届く。

そして1月20日は太鼓祭り=タンボラーダ(La Tamborrada)。通称サンセバスチャンの日(Dia de San Sebastian)。24時間、200近くのチームが太鼓を叩き街を練り歩く。ワインを片手に観戦するのは楽しいけど、参加したらもっと楽しいんだろな。

それぞれ、街中の店が閉まったりするのでその辺は要確認。冬の子供たちはワクワク、冬の親たちは金欠である。。


・おまけ・
食事のおすすめは・・・

1、ファミレスより楽しいシードレリア

リンゴのお酒シードルが樽から飲めるレストランをシードレリア(Sidrería)と言って、ちょっと郊外にあったりする。子連れで行くと楽しい理由は、広くてワイワイしててちょっと騒いでも誰も気にしないから。それと次々出てくる大皿料理を好きなだけつまんで、御行儀よく食べられなくても大丈夫。

あとは樽から出てくるシードルをグラスで受けるのがちょっとエンターテイメント感あって面白い。数家族で行くとより楽しいのでおすすめだけど、1家族だけで行ってもシードルを樽から一緒にそそいでる間になんか友達ができてくので大丈夫。


2、バルの絶品フィッシュスープ

旧市街で、私と子供たちの一番のお気に入りは、レストラン「チュレタ(Txuleta)」のフィッシュスープ(caldos de pescado)3€!濃厚で、身がいっぱいで濃厚で、一緒に来るパンにたっぷりつけながら食べればもうランチはOKってくらい奥のレストランに座って頼むと値段が高くなるので、バルエリアで注文しよう。

ちなみにバスクチーズケーキで有名な「ラビーニャ(La Vina)」もお気に入り。それはすぐ近くに楽しい公園があるから。大はしゃぎで遊ぶ子供たちを、チーズケーキと赤ワインをベンチでチビチビやりながら眺めるのが至福の時間。

3、老舗のチュロスとホットチョコ

旧市街「Santa Lucia」でチュロスとホットチョコのセット(Churros con chocolate)3€。水族館のあとは必ずここ。ノスタルジックで味のある店内で旅気分も盛り上がります。チョコは濃くて鼻血出そうなんだけど、チュロスがしょっぱいので、これがたまらなく合うのです。


ランキングに入れなかったけど、やっぱり旧市街のバル巡りは楽しいですよね。子供と一緒にバーになんて、日本ではとても行けやしないけど、スペインでならGOGO!「こんなとこに子供/赤ちゃん連れて来て!」なんて誰も眉をひそめたりはしません。

それどころか「オラー!」って笑顔で語りかけてくれることも多い。夜の飲みの場に子供が居ることはいけないことじゃないのです。たぶんベースに、親だからって楽しいことは我慢せずにやるべき、という精神があるんじゃないかと思う(バスク人が一番楽しいと思ってることの一つが好きな人とのバル時間)。

だから旅の間くらい、堂々と連れてってください。子供も子供で、ちゃんと素敵な何かを受け取っているはず。

親が外のスタンド席で飲んでる間、仮面ライダーごっこで楽しむ息子たち。道ゆく人にはかっこいいねと笑ってもらった。


いまはコロナで全域封鎖しているバスクだけど、この危機を乗り越えたらば皆さん、ぜひ遊びに行ってくださいね。

バスクの皆さんはどうかどうか頑張って!
(MIWA)