京都と2拠点で暮らす
パンデミックの影響で、画策していたバスク移住を断念した。さあどうしよう??美和に舞い降りたアイディアは「京都に住みたい」というものだった。そうだ 京都、住もう。
いやいや急に無茶言うな。お金も仕事も手間も…、とまともな事を言っても、ビビっとひらめいてワクワクしている妻が納得する訳がない。いきなりフル移住ではなく「2拠点」という折衷案をひねり出し、夏前から京都に通う生活が始まった。
居候家族
幸いなことに、京都通い生活へ向けて頼れる人が2人いた。1人は写真家の石川奈都子さん。美和が講談社時代にお仕事をした縁で仲良くさせてもらっていて(そういえばネパールの企画でスリッパ買ってくれたなあ涙)、西陣のそれはそれは素敵な町屋に暮らしていた。
家を探す間、一家4人で泊めてくださいという無謀なお願いにも2つ返事で快諾いただく。奈都子さんに旦那さんの隆夫さん、それにうちの子と同年代のキュートなボーイズ2人。毎月1〜2週間、2家族8人の大家族生活が始まった。
天のお告げとなんとなくの憧れで通い始めた京都だったけれど、この決断は大大大正解だった。町中に川が流れている心地よさと、どこからでも山が見えてる安心感。古いものが残っている美しさと、「京都人」という人々。ずいぶん色々な国を旅してきたけれど、世界中の人々に特大メガホンでお薦めしたい。
仕事をつくる。
もう1人僕らが頼ったのは『京都移住計画』代表の田村さんだった。7年前に取材をさせてもらいその後はSNSで細くつながっていただけにも関わらず、丁寧に親切に、京都の人々へご紹介をしていただいた。
毎月少しずつ、もうホント素敵な人々との出会いを重ねた。ただの旅人としてではなく、これまで『食べる通信』『ポケットマルシェ』そして今は『美食倶楽部』をやってきたことが良い名刺となり、あたたかく迎えていただいた。これまでの仕事を誇りに思うし、一緒にやってきた仲間そして代表して博之さんありがとうございます。
詳細はかっ飛ばすと、こうした出会いの結果として、美和は編集/ライター、僕は美食倶楽部の展開として、京都の地で仕事を始めることができた。
京都の美食倶楽部のサイト
http://bishokuclub.kyoto
田村さんはじめ、関係者の皆さん本当にありがとうございます。
家賃4万、風呂無し町屋
居候生活は最高すぎたのだけど、さすがに好意に甘え続けるのはいけない。美和が異常なまでの検索能力および執念を発揮した結果、奈都子さん達の家から徒歩5分の場所に納得いく物件と出会うことができた。
お財布に優しい家賃4万円の小さなセカンドホーム。風呂なしで、すきま風ビュンビュンで冬が恐ろしかったりするけど、既に愛着が止まらない。2畳の和室とか、土間とか路地とかたまりません。
風呂がないというのは良いもので、必然的に銭湯に通うことになる。他にこんなレトロな空気が残っている場所はあるのだろうか?徒歩数分圏内に3件銭湯があるが、これでも最近めっきり減っているらしい。
10年ちょい前に夫婦で世界一周旅行に出て、帰国して東北そして全国でお仕事をさせていただきながら、ずっと「旅のある生活」をしたいと願ってきた。家族が増えても、仕事が変わっても、その思いはいつでも僕ら家族の真ん中にある。
こうして京都に家を借りて、そこが西への拠点となっていくことにすごく興奮しています。京都の皆さん、西の皆さん、どうぞ宜しくお願いします。