6時30分、最初のアラームが鳴る。
日本で直前に解約した美和の携帯電話が目覚ましに。
計算機もついてるし時間もわかるし(買った腕時計は壊れたまま)
あれだけ「ケータイの無い生活を」と言っていたのに
結局随分とお世話になっているのが笑える。

最初のでは当然起きれず出発5分前の7時25分に慌てて起きる。
スヌーズという機能は考えモノだと思う。
いや違う、俺の問題だ。
こうやって何かのせいにするのは生きていく為の基本テクだと思う。

横で美和も全く同じスケジュールで動く。
起きて5分で仕度のできる女性は少ないだろう。
すっぴんノーブラで堂々と出掛けられる33歳。関心する。

クラクションや叫ぶ声で既に騒がしいゴカルナタウンから
手書きのショボい看板の横道を入りクドゥリビーチまで30分歩く。
長い上り坂、横には寝ぼけ眼で一言もしゃべらない妻、
ボロボロのビーサンには突き上げがキツい茶色でボコボコの道。
朝早く起きてどこかに歩いて通うこの感覚は部活の合宿以来かもしれない。
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そういえばビーサンが壊れた。
いつぞやの海の家で頂いたFromAノベルティ、
あれから数年海に行く度にそしてこの旅行中もほぼ毎日、
本当にお疲れ様でした。
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8時。1時間30分のヨガレッスンが始まる。
シャバサナに始まり太陽礼拝ポーズ(だっけ?)、
いくつかのポーズと呼吸、シャバサナに終わる。
LVでやっていた森田先生のものとほぼ変わらない。
ああ森田先生元気かなあ。
違うのは最後のシャバサナが瞑想っぽい事(ヨガニトゥラ?)。
いずれにしてもLVのオフィスヨガは最高の福利厚生だった。
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瞑想中は先生のつぶやくモノ、
ろうそくだとか仏陀の顔だとか山道を走る赤い車だとか、
を思い浮かべるのだがどうしても他の事が頭をよぎりまくる。
ふと了介さんに連れて行ってもらった座禅を思い出す。
自分は20分の2セットでもかなりヘコタレ雑念だらけだったが
中曽根元総理は在任中毎日その何倍もの時間を座禅されており
住職曰く「凄い胆力」だったそうだ。

さすがに座禅はないがゴカルナでは
ヨガに留まらず瞑想、催眠術、太極拳、レイキ、
などのクラスのポスターをよく見る。
ゴアにもあった。
科学等で証明されていないスーパーパワー的なものが
僕らを含む旅行者に人気がある事は注目できる。
「インドでヨガやっちゃうオレ」狙いの俗的感覚もあるが
潜在的にそういった事に挑戦するきっかけを求めている
とも言えるのではないか。

日本でも最近ヨガや座禅とかが「あり」になっている。
資本主義社会、合理性や市場原理崇拝、への反動は
様々な社会現象となって現れているが
こういうスピリチュアルというかスーパーパワーというか
への傾倒もその1つだと思う。
情報インプットの量や流れる時間のスピードが更に加速していく中
こういったトレンドは今後間違いなく強まると思う。

9時40分。異常にハイテンションで
常にしゃべり続けている先生や他の生徒達と朝食。
ヨガ後は静かにしたいと思うがまあいいや。
豆腐がメニューにあるが間違いなく想像する豆腐とは違うものだ。
バジルトマトを付け合せにオリーブオイルと塩で食べる。
うまい。それでいいのだ。

その後ジャングルを抜けクドゥリビーチまで降りてきて
「UNDER THE TREE CAFE」でクソ甘いミルクコーヒーを飲む。
「喫茶 木ノ下」と名づける。
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数あるビーチ沿いのCAFEの中で喫茶 木ノ下を選んだのは
人が少なく静かな事や飯が結構うまいこともあるが
ウェイターのシューレズのサービスもその1つだ。
インド人のサービスに対する感覚の無さは驚くほどだが
シューレズはとにかく気がつき常に動いている。
仕事を自分で探し出せるインド人は少ない。

僕らは彼を「ヒデ」と名づけた。
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それから夕方まで5-6時間。
美和はPCに向かい今までの旅行について綴っている。
インプットが多すぎてアウトプットしないと
バランスがとれないと言う。
なんか分かる。
が、とにかくイージーな僕は「それはそれ」と割り切り
読書と波との戯れを繰り返す。
海からあがってパパイヤラッシーを飲む瞬間は毎日ガッツポーズ。
一番幸せな瞬間は実はここかもしれない。食はスゴい。

17時30分。日が暮れるちょっと前に会計をして
ヒデに「バイバーイ」と大き目の声で言って帰途につく。
帰りは行きと違うちょっと回り道だが景色の良い道で帰る。
途中に2つ寺があり祈りが聞こえてくる。
道中大体10人くらいの人と毎回すれ違う。
ハイと言うかヘローと言うかナマステと言うかが専らのイシュー。

左手の岡の向こうに夕日を眺めながら20分ほど歩く。
正面にメインビーチを見下ろしつつ
角が丸く間隔がバラバラな長く急な階段を下りるともうすぐだ、
体がダルくなる頃に街につく。
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この間に登場する牛の糞の数はモイスチャーな新参者から
干からびた古参まであわせて100は下らない。
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その後ネット屋で1時間ほど過ごし
夕飯はPREMA RESTAURANT。21時。
いつも満席で席探しに一苦労し、
オーダーを自分で紙に書くセルフサービススタイルだが
目が合ってもウェイター(少年と青年の2人いる)に無視され
オーダーしても料理が30分来ない。

こんなレストランだが滞在中毎日欠かさず通った。
ある人によるとベストレストラン・イン・インディア、
ある人によると自家製アイスクリームがベスト・イン・インディア、
「はいはい」なのだがそれも納得と言うくらいどれもうまい。
からかもしれないし、
最後に会計してくれる入り口のカウンターの兄ちゃん
(暗算するインド人は実は彼が初めて)
が何かいい感じだからかもしれない。
たらふく食って200ルピーくらいなのが良いからかもしれない。
そして美和は無視する店員といつの間にか仲良くなっていた。
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22時帰宅。水のシャワーを浴び洗濯をし読書をして寝る。
この繰り返し。ほぼ毎日一緒。
ちょっとした出会いのある日もある、無い日もある。
さとしバリ結婚式まで1ヶ月をきっている事に気づかなかったら
この生活を飽きるまで続けていた、かもしれない。