男子力。
キャンプ行くとテント張りが超手際良かったり
電気系統や配線にやたら強かったり
道にめっぽう詳しかったり
そういう「男ならでは」の能力。
英語がちょっとしゃべれるとか
ネットとかコンピューターちょっと詳しいとか
人なつっこくて誰とでもしゃべれるとか
そういう能力はこの男子力の範疇外。
わかるだろうかこのニュアンス。
自由な個人旅行もまた、
この男子力を試される関門が目白押しだ。
特にアフリカのような所では。
そして、ナミビアである。
日本を発ってすぐだが、
僕らはいま ナミビアにいるのだ。
アフリカに人生を捧げる
敬愛すべき元祖冒険ヤロウの鬼内さん
を初めとして多くの方からお墨つきを頂いたこの国。
敬愛すべき元祖冒険ヤロウの鬼内さん
を初めとして多くの方からお墨つきを頂いたこの国。
ケープから総工程約4000km(予定)レンタカーの旅
をスタートした僕ら(僕)を待ち受けていたのは
度重なる男子力テストの洗礼だった。
最初のテストはとてもイージー。
男子力テスト①「マニュアル車は当然難なく運転できるよね」だ。
軽トラで配送バイトして以来10年振りとはいえ
まったく問題ないと思われたこのテスト、
クラッチの感覚がなかなか戻らず
スタートの度にふかしてしまい
必要以上のエンジン音がなんとも滑稽だ。
必要以上のエンジン音がなんとも滑稽だ。
思えば「車に強い」こそ男子力の際たるものだろう。
快適で故障しづらいオートマ車で育った僕の男子力に
早速ケチがついた。
ケープタウンから北上して2日目。
ナミビアとの国境を越えると、
ナミビアとの国境を越えると、
ここから更に風景が変わっていく。
100km毎にやっと1つ小さな町がある程度だろうか。
それ以外は何もなく自然のど真ん中をひたすら走る。
とにかく何も無い。
大自然の壮大さとそこに道路やフェンスを引いた
人間の労力に敬意と畏怖の念でいっぱいになる。
3日目。国境から300km北上した街(キートマンズショプ)
から西へ砂漠を目指していたところで、
恐らくこの旅行全体でも最大のトラブルとなる
ハードコアな男子力テストが待っていた。
走行中、見ると何かランプがつきだした。
車の説明書を見ると「coolant」と書いてある。
熱くなりすぎたのだろうか。
よく分からないが一回停止して再度走り出す。
状況は変わらずランプが再度点等した。
じわりと嫌な予感がした。
スピードを緩めて80km先の次の村を目指そうとしたところ
アクセルを踏むとカタカタ音がしている事に気づいた。
嫌な予感が不安へと形を変える。
落ち着け勇輝。
とりあえず車を止めて様子を見よう。
再度停止してみる。
なんかプスプス音がなっている。
止まってみたところで何もできない自分に気づく。
1分ほど待ってみた。
再度エンジンをかける。
ん?
かからない。
もう1度かける。
もう1度かける。
いつもとは違う乾いた音が鳴る。
が、かからない。
不安は落胆、そして絶望感へ。
きた。
男子力テスト②
「荒野のど真ん中でエンジンがかからないけどどうする?」
「荒野のど真ん中でエンジンがかからないけどどうする?」
(続く)